梁孟松氏による秘密漏洩事件は台積電の勝訴確定 最高裁判所は2015年末までサムスンでの在職を禁止

J150825Y4 2015年9月号(J193)
  台湾積体電路製造公司(Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.、以下「台積電」)は前研究開発シニアディレクターである梁孟松氏が退職後に同社の営業秘密を競合相手である韓国サムスンに渡したとして告訴を提起し、双方は4年近くにわたって争ってきた。最高裁判所は台積電勝訴の判決を下し、梁孟松氏に対して2015年12月31日までサムスンで働くことを禁じるとともに、サムスンの悪意ある引き抜きを防止するため、台積電の営業秘密及び研究開発部門の名簿を漏洩してはならないと命じ、全件は判決が確定した。
  これまでわが国の裁判所は企業の上層管理職に対して、「競業禁止期間満了」後も競合企業に転職してはならないと制限することはなかった。本件は司法史上、初めて競業禁止期限を超えても競合企業での在職を許可しない事例となった。
  本件は、2009年に梁孟松氏が台積電を退職した後、サムスンが賛助している韓国の成均館大学で教鞭をとり、2011年2月競業禁止期間が満了となるやいなや同年7月サムスンに入社し、研究開発担当副社長に就任したことから始まった。台積電もすぐに知的財産裁判所に訴訟を提起し、梁氏が営業秘密を漏洩したと主張するとともに、「1.梁孟松は台積電在職中に知りえた営業秘密を漏洩してはならない、2.梁孟松は台積電研究開発スタッフに関する情報をサムスンに漏洩してはならない、3.梁孟松は2015年末まで、在職又はその他の方法でサムスンに役務を提供してはならない」という3項目の禁止令を発することを請求した。
  知的財産裁判所第一審では台積電敗訴の判決が出された。裁判官は、台積電と梁孟松氏とが結んだ競業禁止約款では、競業禁止期間は2年と規定されており、2011年2月に満了となっていると認め、2015年年末までサムスンで在職できないとする台積電からの(第3項)請求部分については敗訴、第1及び第2項の請求については勝訴と判決したが、台積電は不服として上訴した。
  知的財産裁判所第二審は、梁孟松氏が韓国で教鞭を取った学校が、サムスンが工場敷地内に設置した企業内大学である三星半導体理工学院(SSIT)であったため、台積電に逆転勝訴を言い渡し、在職又はその他の方法でサムスンに役務を提供できないと判決した。梁孟松氏はこれを不服として上訴したが、最高裁判所が請求を棄却し、判決が確定した。(2015年8月)
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