「BabyBoss」商標訴訟、最高行政裁判所がHUGO BOSSの敗訴を確定

J150922Y2 2015年10月号(J194)
 2007年に中保宝貝城股份有限公司(Babyboss City Limited、以下「中保宝貝城」)は「BabyBoss及び図」商標について、当時の商標法施行細則第13条で定められる商品役務区分表第30類のティーバッグ、チョコレート製ドリンク、アイスクリーム等商品における使用を指定し、知的財産局に対して登録を出願し、許可された。しかしドイツの著名なアパレル、バッグブランドであるヒューゴ・ボス(HUGO BOSS Trade Mark Management GmbH & Co. KG)は中保宝貝城がBossを用いてヒューゴ・ボスの商標の知名度に便乗しているとして、知的財産局に対して「BabyBoss」商標の取消(無効審判)を申し立てた。知的財産局は審理した結果、BabyBoss商標登録は2003年商標法第23条第1項第12号前段及び現行商標法第30条第1項第11号前段規定に違反しているため、「BabyBoss」商標を取り消すべきだと判断した。中保宝貝城はこれを不服として、行政訴願を提起したが棄却され、その後知的財産裁判所に訴訟を提起し、知的財産裁判所は訴願決定及び原処分を取り消す判決を下した。しかしながら、ヒューゴ・ボスはこれを不服として、最高行政裁判所に上訴を提起し、最高行政裁判所は103年度判字第237号判決を以って、原判決を破棄し、知的財産裁判所に差し戻した。知的財産裁判所の差戻審ではなお訴願決定及び原処分を取り消す判決が出されたため、ヒューゴ・ボスは不服として、最高行政裁判所に上訴を提起していた。
 知的財産裁判所の差戻審では、中保宝貝城に勝訴の判決が下された。知的財産裁判所は以下のように指摘している。ヒューゴ・ボスのシリーズ商標は主にシンプルな外国語「BOSS」で構成されており、上司(ボス)を強調しているのに対して、中保宝貝城の商標は外国語「BabyBoss」とカラフルな図形で構成されており、その外国語の占める割合はカラフルな図形の部分よりも明らかに小さく、下方の目立たない部分に配置され、カラフルな図形である三種類の職業の子供が主に強調されている。よって両商標は外国語「BOSS」の4文字が同じで、呼称と外観がわずかに類似している以外、設計の観念とターゲットとする消費者層はいずれも異なる。全体的にみて、類似度は高くない。さらに両商標の指定商品又は指定役務は同一又は類似に該当しない。商標「BabyBoss」は食品類の商品であるのに対して、「HUGO BOSS」等シリーズ商標の商品と役務はいずれも食品ではなく、食品との関連もない。上記の状況を総合的に斟酌し、ターゲット層、消費者それぞれの両商標に対する熟知度からみて、両商標は消費者に誤認混同を生じさせない。よって知的財産局の原処分が「BabyBoss」商標登録に2003年商標法第23条第1項第12号款前段及び現行商標法第30条第1項第11号款前段規定の適用を認定したことは違法である。
 最高行政裁判所は審理の結果、ヒューゴ・ボスが上訴して知的財産裁判所の差戻審の原判決には法令違背があると指摘し、破棄を求めることに理由はなく、ヒューゴ・ボスの上訴を棄却する判決を下した。これで全案件の判決は確定した。(2015年9月)
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