ヤマハ発動機商標権侵害訴訟、知的財産裁判所は山葉發動機企業社に商号変更と賠償金30万新台湾ドル支払いを命令

J150916Y2 2015年10月号(J194)
 日本のヤマハ発動機株式会社(中国語名:日商山葉発動機股份有限公司、英語名:Yamaha Motor Co.,Ltd.)は基隆市の山葉発動機企業社がその商標権を侵害しているとして告訴を提起していた。それに対して山葉発動機企業社は、台湾山葉機車工業股份有限公司(Yamaha Motor TAIWAN Co.,Ltd.、以下「台湾山葉公司」)の指導を受けて設立され、すでに暗黙の了解を受けており、権利の侵害はないと抗弁した。知的財産裁判所は、山葉発動機企業社はかつて台湾山葉公司の販売店だったが、解約した後は「山葉」を商号に使用することはできないと認定し、ヤマハ発動機の商標権を侵害しているほか、改正前の公平交易法(独占禁止法や不正競争防止法に相当)第20条條第1 項第2号規定に違反しているため、商号を変更するとともにヤマハ発動機と台湾山葉公司にそれぞれ賠償金15万新台湾ドルを支払うよう命じる判決を下した。
 ヤマハ発動機は以下のように指摘している。1955年の創業以来60年間にわたって二輪車の研究開発、製造及び販売に従事し、国内外における有名企業に成長している。「山葉」、「YAMAHA」等をその商標とし、二輪自動車(モーターバイク)・自動車並びにそれらの部品及び附属品での使用を指定している。「山葉」、「YAMAHA」等の商標は二輪自動車業界及び一般消費者で知らない者がいないほどの著名商標となっている。
 さらに、台湾山葉公司はヤマハ発動機の台湾における関連企業であり、1986年に設立されて以来長年にわたり、ヤマハ発動機から許諾を受けて、「山葉」、「YAMAHA」等の商標を使用し、台湾市場で二輪自動車並びにそれらの部品及び附属品の製造、販売及び整備・修理等の営業活動に従事してきた。同社が製造した二輪自動車並びにそれらの部品及び附属品等は業界及び消費者から高い評価を広く得ている。
 思いがけず、山葉発動機企業社はヤマハ発動機の著名商標「山葉」の文字と台湾山葉公司の「山葉」という社名を無断で使用し、その「山葉発動機企業社」という商号の一部として登記し、同じく二輪自動車の販売、整備・修理等の業務に従事しており、明らかに日本のヤマハ発動機の著名商標の知名度に便乗するもので、消費者に台湾山葉公司の系列である整備・修理業者だと誤認させるため、商号を変更するとともに、ヤマハ発動機と台湾山葉公司にそれぞれ35万新台湾ドルを賠償するよう要求した。
 山葉発動機企業社は以下のように抗弁している。2009年に山葉発動機企業社は台湾山葉公司の販売網に加わっており、さらに「YAMAHA」等商標の文字、看板の様式はいずれも台湾山葉公司から使用許諾を受けたほか、人員を台湾山葉公司が開催した噴射技術セミナーに派遣し、台湾山葉公司の総経理からF1優良技術サービス店の証書を授与されていることから、台湾山葉公司は「山葉発動機企業社」を商号とすることに同意していたことは明らかである。もし山葉発動機企業社がヤマハ発動機の商標権を侵害していたとしても、基隆市政府に対してすでに休業を申請しているので、商号を変更する必要はない。
 知的財産裁判所は、山葉発動機企業社と台湾山葉公司との契約規定に基づき、2012年6月1日に満了となった後に双方が更新しなかったため、「山葉」を商号の主要部分として継続して使用できないが、山葉発動機企業社は2014年9月1日まで使用し続け、ヤマハ発動機の商標権を2年にわたって侵害し損失を与えた上、改正前公平交易法第20条第1 項第2 号規定に違反しており、さらに休業は随時営業を再開できるため、商号変更が必要ない理由とはならないと指摘し、山葉発動機企業社に商号を変更するとともに、ヤマハ発動機と台湾山葉公司にそれぞれ賠償金15万新台湾ドルを支払うよう命じる判決を下した。(2015年9月)
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