「台湾科学技術競争力分析」によると、電力設備、工程及び電気エネルギー、半導体分野で大きな影響力

J151014Y1 2015年11月号(J195)
 台湾が現在イノベーションと価値創造を積極的に追求していることは、特許の統計からうかがい知ることができる。国家実験研究院(National Applied Research Laboratories、略称「NARLabs」)の傘下にある科技政策研究與資訊中心(Science & Technology Policy Research and Information Center、略称「STPI」)が発表した「台湾科学技術競争力分析」報告によると、台湾の米国における特許(訳注:ここでは発明特許、実用新案、意匠を含む)取得件数は年々増加している。米国特許商標庁(USTPO)統計によると、近年米国における特許権者内訳で上位5ヵ国は米国、日本、韓国、ドイツ、台湾であり、台湾が2009~2013年に累積した米国での特許取得件数はすべての国の3.62%を占めている。
 STPIによると、他の特許に引用される回数が多い特許ほど、影響力が大きい。被引用回数の番付においてすべての特許の上位10%が「影響力が大きな特許」といわれ、2000~2013年米国で取得した影響力が大きな特許がすべての特許に占める比率をみると、台湾は12位だった。この比率は近年上昇傾向にあり、技術影響力インデックス(Technology Influence Index、略称「TII」。TII=ある国の影響力が大きな特許の比率/世界全体の影響力が大きな特許の比率)は0.51から0.60に上昇しており、台湾の特許の質も年々向上されていることを示すものでもある。
 技術分野の分布を分析すると、台湾の特許が電力設備、工程及び電気エネルギー、半導体、映像音響技術、光学及び基礎電気回路等の技術分野に多数集中していることがわかる。さらにその中でも台湾がすでに多数投資し、影響力が大きな技術分野が電力設備、工程及び電気エネルギー、半導体、工作機械であることがわかる。工作機械は特許件数が特に多いわけではないが、影響力が比較的大きい。
 また、最も注目されるインダストリー4.0と関連のある技術分野を考慮すると、STPIが世界の特許文献に対して行ったキーワード検索から「データ処理」と「情報設備」がインダストリー4.0にとって最も重要な技術であることがわかる。台湾はこれら両分野における特許件数が、米国、日本、ドイツ、韓国、カナダに次いで6位であり、年々上昇傾向にある。
 さらに、トムソン・ロイターのデータベース分析によると、2013~2014年に世界のイノベーションは3%減速しており、台湾も同じ傾向があるとデータが示している。2010~2013年台湾のイノベーションは力強く成長しており、それは特許出願件数から一目瞭然であるが、2014年については成長が見られていない。近年、世界の技術成長は主に民生製品と生命科学の分野で見られている。台湾がその強みを活かそうとするならば、ハイテク分野でイノベーションを継続し、人口の高齢化、労働力人口の減少という環境において、台湾はファクトリー・オートメーションを発展させ、第四次産業革命(インダストリー4.0)を推進する必要がある。(2015年10月)
TIPLO ECARD Fireshot Video TIPLO Brochure_Japanese TIPLO News Channel TIPLO TOUR 7th FIoor TIPLO TOUR 15th FIoor