モバイル電源の外観を模倣、徳普国際に51万新台湾ドル賠償支払命令の判決

J151118X1・J151118Y1 2015年12月号(J196)
 徳普国際有限公司(Digi Pro International Co., Ltd.、以下「徳普国際」)が生産するモバイル電源「阿帕契電行者(アパッチ電気ウォーカー)」が扎亞科技有限公司(Zaya Technology Co., Ltd.、以下「扎亞科技」)から同社の製品外観デザインを模倣しており、意匠権を侵害しているとして損害賠償を求める訴訟を提起された。知的財産裁判所は審理において両製品を比較したところ、幾つかのデザイン特徴が同じであることを発見し、徳普国際が扎亞科技のモバイル電源外観を模倣していると認定し、徳普国際に対して扎亞科技への賠償金51万新台湾ドル支払いを命じた。
 扎亞科技の主張は以下の通りである。同社は2013年12月「行動電源(一)」外観デザインの意匠登録を知的財産局に出願し許可を得ており、意匠権保護期間は2014年9月1日から2025年12月23日までである。しかしながら扎亞科技はネット上で徳普国際が製造、販売するモバイル電源「阿帕契電行者」(以下「係争製品」)の外観形状が扎亞科技の意匠権を侵害している疑いがあることを発見した。扎亞科技が係争製品を購入して対比分析を行い、係争製品は扎亞科技の意匠登録請求の範囲に含まれると判定した。扎亞科技は弁護士を通じて徳普国際に書簡にて侵害行為を停止するよう通知したが、徳普国際がこれを放置したため、扎亞科技は知的財産裁判所に訴訟を提起した。
 さらに札亞科技は裁判所に対して、徳普国際の商業帳簿等資料を差し押さえて販売数量及び金額を調査し、それを根拠として賠償額とするか、若しくは最低損害賠償金額51万新台湾ドルを賠償額とするよう請求した。
 知的財産裁判所の審理において、徳普国際は法定で答弁していない。裁判所は扎亞科技の意匠と係争製品を対比分析した結果、両者はいずれも「1.本体正面がほぼ長方形を呈し、四面及び各角がいずれもアーチ形に修飾されており、該本体正面の短手が非対称の傾斜にデザインされている、2.正面の右端付近にアーチ型の凹部分があり、そこには複数の指示ランプと電源のソケットが配置されている、3.本体の底部付近の側辺にフレキシブルなジョイントが突出している」等の設計の特徴を有することを発見した。さらに全体対比により全体の視覚的外観を総合的に判断すると、係争製品全体が与える視覚的印象は、消費者に扎亞科技の意匠を実施した商品だと誤認させる可能性があり、よって混同を生じさせる視覚的印象をもたらしており、係争製品の全体の視覚的外観が扎亞科技の意匠に類似していると認定すべきであることがわかった。また、係争製品と扎亞科技の意匠は外観が酷似しているため、係争製品が扎亞科技の意匠の新規な特徴を含んでいるとして、知的財産裁判所は徳普国際が札亞科技の意匠を模倣したと認定し、徳普国際に賠償金51万新台湾ドルの支払いを命じる判決を下した。(2015年11月)
TIPLO ECARD Fireshot Video TIPLO Brochure_Japanese TIPLO News Channel TIPLO TOUR 7th FIoor TIPLO TOUR 15th FIoor