工業技術研究院が「IP訴訟クラウドKB」を始動

J151106Y1 2015年12月号(J196)
 国際的なIPを巡る競争の場において(台湾)産業界が実効的に防御し、積極的に攻略できる能力を高めるため、工業技術研究院(Industrial Technology Research Institute 、略称「ITRI」)は11月6日に「2015年知的財産(IP)訴訟クラウド知識ベース(KB)及び大学特許戦略セミナー」を開催して「IP訴訟クラウドKB」を正式に始動した。国内における特許分析及び戦略の機運を高め、IP保護の強化及び実現と台湾の知的財産権のポテンシャル向上が期待されている。
 行政院は2012年11月29日に「智財戰略綱領(IP戦略綱領)」を承認し、当時「IP訴訟クラウドKB」の設置を企画していた。経済部技術処はITRIに委託して2015年に設置し、対外的に使用を開放した。「ITIS智網」(訳注:ITIS智網は技術処の「産業技術知識服務計画(Industry & Technology Intelligence Service、略称ITIS計画)」が設置した産業知識サービスサイト)の会員がログインすれば、すぐにKBに入り、関連情報を閲覧することができる。
 ITRI技術移転センターの王本耀主任によると、「IP訴訟クラウドKB」の設置は各企業の最高法務責任者(CLO)や法務責任者の意見を広く取り入れ、1年余りの歳月をかけて設置した。重要な法案や知財事件を深く分析し、国内IP担当者が実際の事例を通じてIP訴訟のキーポイントに対する理解を深めることができるようにすると同時に、台湾企業の内部における米国特許訴訟体験談、台湾企業の米国における特許侵害訴訟、共同被告間の協力戦略や実務管理等を整理して、トータルな知識を提供し、台湾産業界が特許訴訟実務の必要性に対する理解を深めるようにするとしている。
 行政院の蔡玉玲政務委員によると、台湾製品は世界各地へ販売され、常に競合者から特許訴訟提起によりその市場占有を阻まれる状況に直面しているという。台湾産業界が国際特許訴訟に対応するのに協力し、国際的なIPを巡る競争の場において産業界が実効的に防御し、積極的に攻略できる能力を高めることは一刻の猶予も許されない。このKBは台湾では初めてのIP訴訟実務専門情報を統合したデータベースであり、現在台湾産業界に最も大きな影響を与える米国特許訴訟に焦点を当てている。特許訴訟の実務経験を提供することで、台湾企業が多角的にIP訴訟実務情報を理解して、IP訴訟への対応力を高めることが期待されている。(2015年11月)
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