英国企業の「SUPERDRY」商標権侵害訴訟、「SUPERFLY」が敗訴

J151114Y2 2015年12月号(J196)
 勤美服飾行(Chyn Mei Clothing Co.)は2012年に商品及び役務区分表第25類の「シャツ、Tシャツ、衣類」等商品での使用を指定して「SUPERFLY」商標の登録を知的財産局に出願し、許可を得た。しかしながら「SUPERDRY」ブランド服飾の生産・販売を行う英DKH Retail Ltd.(以下「DHK社」)が「SUPERFLY」商標を発見した後、商標異議申立を行ったが、知的財産局は審理の結果、異議申立不成立の処分を下した。DHK社はこれを不服として行政訴願を提起したが、棄却された。DHK社はなお不服として行政訴訟を提起した。
 DKH社は以下のように主張している。DHK社は1985年に英国で設立され、長期にわたって個人の服飾及び関連商品を取り扱い、「SUPERDRY」商標は2003年に創作され使用が開始されてから今まで10年以上に達している。2005年には台湾で商標登録を出願し、2006年に登録を許可された。SUPERDRY製品はこれまでずっと英米日のファクター(訳注:米国のビンテージ生地、日本に触発されたデザイン、英国のテーラー文化)を集成して大衆からの支持を広く集めてきた。英国には100店舗近くある以外に、世界40ヵ国以上に販売拠点が設置されており、さらにオンラインショッピングサイトを通じて101ヵ国に販売しているため、これは国際的な著名ブランドである。
 よってDKH社は、勤美服飾行が登録した「SUPERFLY」商標は、明らかにDKH社の「SUPERDRY」商標を模倣したものであり、両者はいずれもアルファベット8文字で構成され、「SUPER」で始まり「Y」で終わり、全体の外観と呼称が類似しており消費者に容易に混同を生じさせるため、DKH社の「SUPERDRY」商標権を侵害しているとして、「SUPERFLY」商標の登録取消を請求した。
 知的財産裁判所の判決文では以下のように指摘されている。二商標の図案を比較すると、いずれも同じ語頭「SUPER」と語尾「Y」を有し、その中間の「FL」、「DR」が異なるだけであり、一見すると確かに混同しやすい。SUPERDRYの販売代理店は2010年から2012年までの間に台湾のメディアで宣伝し、MRTで車内広告を出している。さらに「SUPERDRY」は先に商標を登録しており、消費者がより熟知する商標に該当するため、裁判所はこれにより「SUPERFLY」が「SUPERDRY」商標権を侵害していると認定し、知的財産局に「SUPERFLY」商標の取消を行うよう命じるものである。本件はさらに上訴できる。(2015年11月) 
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