台日間で競争法適用に関する了解覚書を締結
J151127Y4・J151127Z4 2015年12月号(J196)
台湾と日本は2015年11月26日東京にて「公益財団法人交流協会と亜東関係協会との間の競争法適用に関する了解覚書」(略称「日台競争法了解覚書」)を交わした。これは(台湾の競争法主務機関である)公平交易委員会にとって、オーストラリア、ニュージーランド、フランス、モンゴル、カナダ、ハンガリー、パナマ、コロンビア等の国に続いて外国と締結した10番目の競争法に関する協定文書となる。この覚書は英語版で、計12条から成る。重要な規定には、執行活動における協力、執行活動の調整、一方の締約国の領域における反競争的行為であって他方の締約国政府の利益に悪影響を及ぼすものに関する協力、紛争の回避、交換情報の秘密性等が含まれる。
公平交易委員会によると、台湾と日本の経済貿易関係は密接で、互いにとって重要な貿易パートナーであり、様々な国境を越えた事業活動や日台間の事業提携等のビジネス形態がよく見かけられ、近年は双方の企業が係わる国境を越えた競争制限事件が時折聞かれるため、双方の競争法主務機関(訳注:台湾の公平交易委員会と日本の公正取引委員会)間の協調協力を強化することが、台湾にとって従来からの目標であった。台日双方の競争法主管機関は友好関係を維持しており、経済協力開発機構(OECD)、国際競争ネットワーク(ICN)、アジア太平洋経済協力(APEC)、東アジア競争政策トップ会合(EATOP)等の国際会議の場で交流してきた他、日台貿易経済会議へ参加する機会を利用して双方の実務者レベル会議を開き交流を強化してきた。双方はより密接な協力が必要であると考え、了解覚書を締結する合意に達したという。
世界経済の自由化という流れにおいて、国境を越えた企業M&Aや反競争的行為が数ヵ国の国内市場における競争秩序に同時に影響を及ぼす可能性があり、国際事案を有効に処理するため、各国の競争法主務機関は積極的に協定の締結を通じて執行機関同士の協調協力を強化している。今回の了解覚書の調印は、台湾と日本の間で競争法執行を調整するのに役立ち、双方の経済貿易の成果をより一層保障し高めることができる。
「日台競争法了解覚書」は公平交易委員会がアジアの先進国と初めて締結した覚書であり、この了解覚書の締結を通じて、台湾による継続的なその他のアジア諸国の競争法主務機関とのより密接な提携関係構築と、二国間及び多角的な競争法領域の法執行における協力促進につながることが期待されている。(2015年11月)