前の勤務先の機密をダウンロード、離職管理職者に3100万新台湾ドル賠償支払命令の判決

J151107Y4 2015年12月号(J196)
 林○○はかつて實密科技股份有限公司(Schmidt Scientific Taiwan Ltd.、以下「實密科技」)で副総経理(訳注:Vice Presidentに相当)の職にあり、双方は知的財産権及び秘密保持契約書を結んでいた。林○○は離職前に實密科技の販売代理契約書を始めとする営業秘密資料を大量にダウンロードし、顧客であるD社に対して實密科技との代理契約を解約し、新たな勤め先との契約に切り替えるよう持ち掛けるとともに、實密科技の従業員4名に自分の勤め先に移籍するよう扇動した。實密科技は林○○が双方で締結した競業避止義務約款に違反し、同社に甚大な損失をもたらしたとして、損害賠償訴訟を提起していた。
 台北地方裁判所は、以下のように判決した。林○○がダウンロードした資料は副総経理クラスの秘密であり、一般人が知り得るものではない。さらに、新たな勤め先においてD社商品の販売、サービス、保守、修理を担当する者は、實密科技の元従業員であり、故意に操作した結果であることは明らかである。よって林○○が双方の締結した競業避止義務約款に違反していると認定し、林○○に対して、予測される利益損失(訳注:損失額算定の対象となる期間はD社との契約解約翌日である2015年2月13日から競業避止義務終了日の2016年10月12日まで)と違約金の合計3100万新台湾ドルを賠償するよう命じるものである。本件はさらに上訴できる。(2015年11月)
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