「委託者ブランド製造」が「模倣品製造」に、偽ブランド工具の侵害額は市価3000万新台湾ドル

　保安警察第二総隊刑事警察大隊偵二隊（以下「保二総隊刑大偵二隊」）は世界の有名工具メーカーである独KS TOOLS社からの告訴を受理していた。同社は消費者からクレームや返品・交換が多発したため異状に気づき調べたところ、出所が施〇〇父子と劉〇〇（販売業者）である偽ブランド品を発見した。容疑者らは許諾を受けずに粗悪な工具を製造して市場で販売し、何も知らない消費者を騙して暴利を貪っていた。該案件は先日事件解決が宣言され、3容疑者は商標法違反で送検されている。

　KS TOOLSはドイツの自動車用品専門誌の知名度ランキングで2位に番付された工具ブランドであり、世界90ヵ国余りで販売され、製品はドイツ工業規格（DIN）認証を取得している。施〇〇父子が経営する工具メーカーはKS TOOLSを始めとする多くの有名ブランドの工具を受託製造していた。2012年当時、KS TOOLSブランドの工具を生産したが、ドイツ本社の検査基準に不合格となり返品され、提携関係が打ち切られた。それによる損失を被ったことを不服として、台南の販売業者である劉〇〇を通じて未許諾のKS TOOLS工具セットを販売した。

　保二総隊刑大偵二隊によると、本案件の捜査期間内に外部専門家に関連する係争商品の鑑定を依頼した他、長期にわたる尾行・監視と待ち伏せを通じて容疑者の製造及び販売の場所並びに川上・川下の関係を突き止め、台中地方裁判所に捜索・差押許可状の発付を請求し、それぞれ台中市と台南市の会社、工場等で同時に捜索を行い、KS TOOLS商標が標示された偽ブランド工具セット1000点近く、入出荷伝票、帳簿等を差し押さえた。その権利侵害額は市価3000万新台湾ドル余りに達する。（2015年12月）