友達光電の元研究開発担当副理に技術情報漏洩で懲役6ヵ月の判決

J151203X4・J151203Y4 2016年1月号(J197)
 以前友達光電股份有限公司 (AU Optronics Corporation、略称AUO、以下「友達光電」)技術部の研究開発担当副理(訳注:副理はAssistant Managerに相当)を務めていた許○○は在職中に技術情報を個人の電子メールアドレスへ送信し、中国の華星光電技術有限公司(CSOT、以下「華星光電」)へ転職した後、友達光電の機密を華星光電に漏洩していた。友達光電はそれを発見した後に告訴を提起した。新竹地方裁判所は2015年12月1日、許○○に対して懲役6ヵ月に処す判決を下した。
 許○○は2008年から友達光電で有機発光ダイオード(OLED)技術部の研究開発担当副理として働き、友達光電と雇用契約書を交わし、雇用期間中及び離職後1年以内は職務上知り得た営業秘密に対してはその秘密性を保持するため必要な措置を採らなければならないこと、職務上の正常な使用以外は友達光電に事前に書面で同意を得ずに直接的又は間接的な方法でいかなる第三者に漏洩、告知、引渡し及び移転したり、自ら使用したりしてはならないことを約定していた。
 2011年5月、許○○は会社のメールアドレスを利用し、友達光電の研究成果である「アクティブマトリクス式有機発光ダイオード(AMOLED)製造工程」、「薄膜トランジスタ構造」を個人のメールアドレスへ送信した。2012年2月末、許○○は友達光電を退職した後、華星光電で研究開発センターのAMOLED開発部科長に就任した。同年9月、許○○は華星光電において、それが製作した「Array Process flow Structure」の画像ファイルを電子メールで同じく華星光電の関連企業に所属する連○○等に送り、友達光電の商工業の秘密を漏洩した。
 許○○は裁判所の審理において犯行を否認し、ファイルを個人アドレスへ送ったのは家で仕事をするためであり、その後華星光電で送信した画像ファイルは華星光電でサムスンのタブレットPCのリバース・エンジニアリングを行い、関連する論文や特許から得た研究成果を参考としたものであり、友達光電で作ったものではないと抗弁した。さらに裁判所が交通大学にサムスンのタブレットPCのリバース・エンジニアリングと鑑定を嘱託したところ、鑑定報告と許○○の供述とに矛盾があったため、許○○の供述を採用しないこととした。
 新竹地方裁判所の判決書によると、許○○は華星光電での地位を固めるため、友達光電の秘密を漏洩することを惜しまず、友達光電に利益の損害をもたらしたため、コンピュータ関連設備を利用して業務上保持している商工業の秘密を漏洩した罪により、懲役6ヵ月の判決が下された。(2015年12月)
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