台韓間の優先権証明書類の電子的交換(PDX)、2016年1月1日スタート

J151225Y1 2016年1月号(J197)
 優先権証明書類は国を越えて「専利(訳注:「専利」は特許、実用新案、意匠を含む)」出願をする際の重要な書類であり、台湾は日本に続いて韓国とも2015年6月15日に、台韓(特許庁)間の優先権証明書類の電子的交換(Priority Document Exchange、略称はPDX)に関する了解覚書に調印した(訳注:この覚書では特許、実用新案のみが対象)。経済部知的財産局と韓国特許庁との相互提携を通じてPDXを行っていく。この提携は2016年1月1日正式にスタートする。台湾専利審査手続きの国際化は再び大きく前進することになる。
 韓国から台湾への「専利」出願件数は外国人専利出願件数番付で3位にランキングされ、2014年には2127件に達した。LG化学、サムスンディスプレイ及びサムスン電子は、外国人による台湾への出願件数番付で上位20社に入っている。一方、台湾から韓国への出願件数は2013年の768件から2014年の955件へと成長している。台湾積体電路(Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.)、華邦電子(Winbond Electronics Corp.)、聨発科技(MediaTek Inc.)、慧榮科技(Silicon Motion Technology Corp.)等は主な出願企業である。今後は化学、電子、半導体等の産業がこの協定により恩恵を受けることになる。
 発明特許又は実用新案の出願人が台湾で最初の専利出願を行った後、台湾の出願を優先権主張の基礎として韓国に専利を出願する場合、韓国に優先権証明書類の電子的交換を利用する「声明(意思表示)」をすれば、その「声明」で紙媒体の証明書類に取って代えることができる。同様に出願人が韓国で最初の専利出願を行った後、韓国の出願を優先権主張の基礎として台湾に専利を出願する場合も、優先権証明書類の電子的交換を行う「声明」するだけで優先権証明書類を提出したとみなされる。さらに2016年1月1日までの16ヵ月以内に出願し優先権を主張する案件にも適用される。
 出願人が電子的交換の利用を声明した案件について、台湾の知的財産局と韓国の特許庁は直接書類の電子的交換を行い、紙媒体の書類を重複して作成する時間とコストを回避でき、国を越えた出願手続きが大幅に簡素化される。さらに専利の審査人員(審査官)はオンラインで迅速に書類の電子ファイルを入手できるため、審査作業を加速し、行政効率を高めるのに役立つ。
 各方面が今回の提携をすぐに理解できるように、知的財産局はすでに「台韓間の専利優先権証明書類の電子的交換作業要点」、「台韓間の専利優先権証明書類の電子的交換作業説明」を公布するとともに、関連する申請書である「発明特許願書」、「実用新案登録願書」、「優先権証明書類申請書」とその申請に関する留意事項も改訂している。(2015年12月)
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