「雪肌精」立体商標登録訴訟、知的財産局の敗訴確定

J160123Y2 2016年2月号(J198)
 台湾で目を瞠るような業績を上げている基礎化粧品「雪肌精」について、日本企業の株式会社コーセーは「雪肌精(3D MARK)」を以って同商品の青白ボトルを商標登録しようとしたが、知的財産局が拒絶査定を下した。コーセーはこれを不服として行政訴願を提起したが、これも棄却されたため、コーセーはなお不服として知的財産裁判所に対して行政訴訟を提起した。知的財産裁判所は行政訴願及び原処分を取り消すとともに、知的財産局に対して本裁判の法律見解に基づき改めて処分を行うよう命じたが、知的財産局はこれを不服として上訴を提起していた。最高行政裁判所は知的財産局に敗訴の判決を言い渡し、判決が確定した。
 コーセーは、市場調査によると雪肌精の青白ボトルは高い識別力を有し、さらに台湾では5年間で100万本販売を達成し、年売上高が3億新台湾ドルを上回っていることから、「雪肌精(3D MARK)」商標が後天的識別力(使用による識別力)を有することを証明できるうえ、日本、中国、韓国、香港及びシンガポールではいずれも登録を許可されているのに台湾で認められなかったため、訴訟を提起したと主張していた。
 一方、知的財産局は、雪肌精のボトルはよく使用される包装容器の形状と色であり、識別力を有さないと認定した。さらに商標は属地主義が採用され、各地の国情・法制、審査基準がそれぞれ異なり、かつ各国の商標登録に関する立法例も同じではないため、コーセーの登録出願を拒絶したと供述していた。
 知的財産裁判所は、雪肌精のボトル設計には先天的識別力(生来的識別力)と後天的識別力(使用による識別力)を有すると認定し、コーセーに勝訴の判決を言い渡し、知的財産局が敗訴した。
 最高行政裁判所は、雪肌精のボトルは業界でよく使われる設計に類似しており、その他の商品と区別できる識別力を有するとは認め難いが、長期にわたって幅広く使用され、大量に商品の広告を行い、売上高と販売量が極めて多いというマスコミ報道等の証拠によってすでに後天的識別力を取得しており、知的財産局の上訴には理由がなく、棄却すべきであると認定して、全案が確定した。(2016年1月)
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