テレショップでの偽ブランド腕時計販売に懲役1年10ヵ月と賠償金1億5000万新台湾ドル支払命令の判決

J160103Y2 2016年2月号(J198)
 陳○○は中国から「BURBERRY」腕時計を輸入し、森森百貨股份有限公司(U-Life、以下「森森百貨」)及び東森得易購股份有限公司(Eastern Home Shopping & Leisure Co., Ltd.、以下「東森得易購」)のインターネットサイト及テレビショッピング(テレショップ)で販売していた。英バーバリー社(Burberry Limited)がテレホンショッピングで偽ブランド商品が販売されているのを発見した後、陳○○とテレショップ業者2社を相手取り訴訟を提起し、賠償請求を行った。台北地方裁判所は詐欺取材、商標法違反等の罪で陳○○に懲役1年10ヵ月の判決を下すとともに、偽ブランド腕時計の販売価格の700倍で算出した約1億5000万新台湾ドルの賠償金を支払うほか、本件民事判決書を蘋果日報に1日掲載するよう命じた。ただし台北地方裁判所はテレショップ業者等に対して、商品の出所を審査し注意義務を尽くしているため賠償を免じるとの判決を下した。
 判決書によると、陳○○は惟富国際有限公司(Wealth Full International Co., Ltd.)等3社の代表者であり、凡そ2012年初又は2011年末から「BURBERRY」腕時計を約4,000乃至7,000新台湾ドルで林○○と称する中国人から仕入れ始め、さらに小三通(訳注:台湾と福建省との間の郵便)やクーリエ便で台湾に輸入し、森森購物網(森森百貨の通販サイト)、東森購物網(東森得易購の通販サイト)及びそれが所属するテレショップを通じてわずか7,999乃至15,780新台湾ドルで販売した。
 陳○○は、「BURBERRY」腕時計は並行輸入の正規品であり、ベテランの時計技師から鑑定書を取得したことがあり、正規品であることを確認していると主張していた。しかしながらバーバリー社が委託した鑑定士によると、差し押さえられた腕時計の「BURBERRY」商標のアルファベットの字体、手工芸等の点からみて、正規品との相違は極めて大きいという。
 さらに陳○○は、バーバリー社が委託した鑑定士は大学での専攻が歴史であり、わずか3ヵ月の腕時計鑑定訓練しか受けておらず、勤務しているFossil Group Inc.(以下「フォッシル社」)は多くのブランドから委託されて時計を生産しており、「BURBERRY」腕時計の真偽を判断する専門能力については疑いの余地があると主張していた。
 台北地方裁判所は、陳○○がバーバリー社からの使用許諾文書を提出できず、かつメーカーの名称や所在地すら知らないことから、陳○○が商品の出所も知らないことが分かり、それが中国から仕入れた「BURBERRY」腕時計が正規品だとは認定しがたい。さらに台北地方裁判所は、バーバリー社の鑑定士が2011年10月からフォッシル社のアジア太平洋地区本部に勤務し、毎月40乃至50件の鑑定案件を扱い、さらに中国、韓国、日本で「BURBERRY」腕時計約40乃至45件の鑑定を行ったことがあり、本件「BURBERRY」腕時計の真贋判断能力を有すると認定し、陳○○に1年10ヵ月の懲役と巨額の賠償支払いを命じる判決を言い渡した。台北地方裁判所はバーバリー社が森森百貨と東森得易購の2社に対して請求していた民事付帯賠償部分について、2社がすでに商品の出所を審査する注意義務を尽くしており、かつ商品販売後は陳○○の会社が直接商品を消費者に発送しており、2社とも陳○○が偽ブランド品を販売していることを知りえないため、賠償を免じる判決を下した。さらに上訴できる。(2016年1月)
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