台湾房屋が住通科技を公平交易法違反で提訴、知的財産裁判所は賠償金30万新台湾ドル支払命令の判決

J160107Y4 2016年2月号(J198)
 住通科技股份有限公司(以下「住通科技」)が立ち上げた物件検索システム「住通搜尋系統(app.houseflow.tw)」が台湾房屋仲介股份有限公司(Taiwan Realty Estate Co.、以下「台湾房屋」)に権利侵害で提訴された。知的財産裁判所は、住通科技が台湾房屋サイトに掲載されている賃貸物件・売却物件情報を「搾取」したことは公平交易法(訳注:日本の不正競争防止法や独占禁止法に相当)に違反しているため、30万新台湾ドルの賠償金を支払うとともに、該システムの検索条件である「不動産仲介業者」リストから「台湾房屋」の選択肢を削除し、さらに該システムでは今後台湾房屋の物件情報を使用しないことを命じる判決を言い渡した。
 「住通搜尋系統」は売却物件情報を提供する検索統合プラットフォームで、有料会員制を採用しており、会員ユーザーが一定の検索条件(例えば:「エリア」、「価格・坪数」、「不動産仲介業者」等)を設定するとコンピュータシステムで検索・対比が行われ、条件に合った国内大手不動産仲介業者サイトにある不動産売却物件情報がユーザーに提供される。
 台湾房屋は、以下のように主張している。住通科技が台湾房屋の同意を得ずに無断で該社のサイトに掲載されている売却物件・賃貸物件情報を盗用し、直接「住通搜尋系統」の情報として利用しており、事情を知らない消費者に両者間に提携関係があると容易に誤認させる。住通科技は労力、時間、経費を投じて自ら如何なる物件情報を見つけ出すことなく、直接他人の仕事の成果を利用して利益を得ており、明らかに公平交易法に違反している。
 一方住通科技は、以下のように主張した。「住通搜尋系統」に使用されている情報出所はいずれも台湾房屋及びその他の不動産仲介業者のサイトに公開されている情報であり、住通科技は不当な方法で台湾房屋の内部から非公開情報を取得しておらず、不当に他人の努力の成果を搾取していない。さらに住通科技は直接不動産仲介サービス業務に従事しておらず、台湾房屋の競合相手ではなく、公平交易法に違反していない。
 知的財産裁判所は判決文において以下のように指摘している。住通が台湾房屋サイトに掲載されている売却物件・賃貸物件情報を搾取して自身のサイトの情報を拡充し、より多くの会員数を勧誘してその会費収益を増やすという行為は他人の努力の成果を搾取する行為に該当し、取引秩序に影響を与えるに足るものである。さらにその他の公正競争の本質を遵守する取引者にとって「著しく公正を欠く」状況を構成しており、改正前公平交易法第24条及び現行公平交易法第25条の規定に違反している。(2016年1月)
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