歌手の齊秦が再び提訴、「独行」等16曲の著作権を奪回

J160309Y3 2016年4月号(J200)
 シンガーソングライターの齊秦氏は著作権を奪回するため、環球音楽出版股份有限公司(Universal Music Publishing Ltd Taiwan、以下「環球音楽」)と法廷で戦うことを惜しまず、2014年最高裁判所は齊氏に勝訴の判決を下し、名曲「大約在冬季」、「冬雨」等27曲の著作権を齊氏の手に戻した。その後、齊氏は再び「独行」、「闘魚」等16曲についても知的財産裁判所に訴訟を提起し、環球音楽に不当利得を返還するよう請求した。
 環球音楽は、これらの音楽著作物はいずれも綜一股份有限公司(以下「綜一公司」)が1986年から次々と齊氏を契約雇用してレコードを発行した時に創作したもので、齊氏の詞と曲の音楽著作物と録音著作物等の権利はすべて綜一公司に譲渡されているほか、1990年宝麗金唱片股份有限公司(PolyGram Records Ltd.)が綜一公司を買収し、さらに環球音楽が合併・買収したため、当該16曲の著作権は環球音楽が所有するものである、と抗弁していた。
 知的財産裁判所は審理した結果、環球音楽が提出した当該16曲の著作権譲渡証明における「齊秦」の署名と印鑑には複数の様式がみられ、齊氏本人が提出した署名の筆跡又は印鑑の資料とは合致せず、齊氏が当初綜一公司に著作権を譲渡したとは認定できないと認め、当該16曲の著作権所有者は齊氏であるとの判決を下した。
 さらに著作権侵害及び損害賠償の部分について、齊氏は2013年になって始めて訴訟を提起し、請求権の10年時効が過ぎており、かつ環球音楽が著作権を侵害した部分について、主観的に故意又は過失があったとは認定できないため、齊氏が環球音楽に対して損害賠償責任を負うよう請求したことに理由はない。不当利得の部分について、環球音楽はカラオケコンテンツプロバイダ及び他人に対して16曲の楽曲の使用を許諾し、合計22万新台湾ドル余の利益を得たため、この部分については齊氏に返還しなければならない。本件は上訴できる。(2016年3月)
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