初鹿牧場の商標を盗用、加州健康生技に250万新台湾ドルの賠償命令

J160508Y2・J160508Y3 2016年6月号(J202)
    台東の初鹿牧場を経営する超能生化科技股份有限公司(以下「超能生化科技公司」)は「南傳初鹿鮮奶茶坊」(訳注:ドリンクチェーン店)を経営する加州健康生技有限公司(以下「加州健康生技公司」)が著作権と商標権を侵害しているとして告訴していたが、知的財産裁判所は先日加州健康生技公司に対して250万新台湾ドルの賠償金支払いを命じるとともに、「初鹿牧場」の著作物及び商標を加州健康生技公司の商品及びその包裝に使用すること、さらにはその加盟店の使用に提供することを禁じた。関連する広告物は撤去、廃棄し、関連する商品もすべて市場から回収しなければならない。
    超能生化科技公司の主張は以下の通り。「南傳初鹿鮮奶茶坊」は2009年4月から超能生化科技公司に対して初鹿牧場の商品を注文し、販売するとともに、「初鹿牧場」の著作物及び商標を加盟店の使用に供していた。2013年7月超能生化科技公司は「南傳初鹿鮮奶茶坊」が嘉義の「綠盈鮮乳」を使用してハンドシェイクティーを調製し、かつ「初鹿牧場大草原乳牛群」の著作図案を濃厚ミルク「南傳100%特濃鮮乳」に使用するとともに、「初鹿牧場」商標を南傳オリジナルのミルククッキー「鮮奶酥」に使用し、さらには初鹿牧場の「牛の頭の図」商標に酷似した商標を南傳オリジナルのミルク饅頭「初鹿養生鮮奶饅頭」等商品にも使用していることを発見した。さらに「初鹿牧場」のラベルを商品に貼るとともに、わざと南傳の商品をDMや価格表の「初鹿商品」の欄にあいまいに標示をして、消費者に商品の出所が初鹿牧場であると誤認させており、加州健康生技公司は許諾使用の範囲を越えて超能生化科技公司の著作権と商標権を侵害している。
    一方、加州健康生技公司は以下の通り抗弁した。「初鹿牧場」の著作物及び商標の図案を店舗に置くのは、店内で台東の初鹿牧場の商品を販売し、初鹿牧場及びその商品を宣伝するためであり、商標の使用ではない。加州健康生技公司は善意により合理的に使用しており、超能生化科技公司の同意(の範囲)を越えておらず、超能生化科技公司の権益はこれによって損なわれていない。ならびに「初鹿養生鮮奶饅頭」の牛の頭をデザインした商標と初鹿牧場が登録している商標とは使用商品区分が異なり、「初鹿牧場」ラベルは社内用で、期日を標示するステッカーとして使用としており、商標として使用していないので、権利の侵害はない。
    知的財産裁判所は超能生化科技公司が提出した南傳の加盟店の権利侵害に係る写真、加盟店の外観の写真、2014年7月のニュース報道を切り取った画面及び光ディスク、南傳の商品の写真等を参考とし、超能生化科技公司の主張を採用した。さらに「初鹿牧場」ラベルは明らかに南傳の商品に貼られており、それらの商品包装にも初鹿牧場の商標に酷似した牛の頭の商標が目立つように使用され、「初鹿」の2文字も標示されており、消費者に両者が同じシリーズの商品であると誤認させるおそれがあるとして、超能生化科技公司勝訴の判決を下した。(2016年5月)
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