捷安特の電動自転車を模倣、業者に219万新台湾ドルの賠償命令判決

J160610Y1 2016年7月号(J203)
 泰勝開発企業有限公司(Tai Sheng Development Ent, Co.、以下「泰勝公司」)が製造し、威勝行銷企業有限公司(Wei Sheng Marketing Co., Ltd.、以下「威勝公司」)に販売を委託した「TSV16 摩卡MOCA電動自転車」に対して、捷安特電動車(昆山)有限公司(Giant Electric Vehicle (Kunshan) Co., Ltd.、以下「捷安特公司」)は自社が取得している第D133389号意匠(訳注:原文は「設計専利」)を侵害しているとして提訴した。知的財産裁判所は被告2社に対して捷安特公司に賠償金219万余新台湾ドルを支払うよう命じるとともに、「摩卡」電動自転車の製造、販売を禁じ、「摩卡」電動自転車の半製品及び完成品も廃棄するよう命じた。
 泰勝公司と威勝公司は以下のように主張していた。特許事務所に鑑定を委託したところ、当該製品は第D133389号意匠権の範囲には含まれないと判断された。さらに当該意匠は新規性を有さず、また「摩卡」電動自転車を泰勝公司の取得した第D159447号意匠に基づいて製造し、威勝公司に市場で販促、販売を行うよう委託したことは、意匠権の正当な行使であり、権利侵害はない。
   知的財産裁判所は判決文において以下のように指摘している。「摩卡」電動自転車と第D133389号意匠はいずれも「後端部にはアーチ状のシートチューブと逆U字型を呈してシートチューブの側面に連結されるリアフォークがある」、「ステップ部側面(フレーム側面中央)に横斜め稜線を呈する装飾」、「ステップ部の上方表面中央に有するX字形の溝形紋様」、「シート及び収納ボックスがフレーム後端部上方に懸架されている」及び「駆動コンポーネントのケースが水滴形を呈する」等の箇所がいずれも高度に類似している。消費者が商品を購入する観点から、全体対比により両者の視覚的外観を総合判断するとき、消費者に同じタイプの電動自転車であると誤認させ、混同を生じさせる視覚的印象を有するため、「摩卡」電動自転車の全体外観と第D133389号意匠は類似しており、当該製品は第D133389号意匠の意匠権の範囲に含まれると認められる。
 さらに「摩卡」電動自転車、第D159447号意匠及び第D133389号意匠の三者を比較すると、「摩卡」電動自転車の全体外観は第D133389号意匠に類似しており、第D159447号意匠ではないため、泰勝公司及び威勝公司の主張は採用できない。(2016年6月)
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