CAMPER商標権侵害で、台湾靴メーカーへの667万新台湾ドル賠償命令判決が確定

J160615Y2・J160615Y4 2016年7月号(J203)
 スペインのCAMPER社は台湾の亞錡國際有限公司(T.B.M. Footwear Inc.、以下「亞錡公司」)の製造、販売する靴が「CAMPER」シューズのデザインを模倣し商標権を侵害したとして提訴していた。先日、最高裁判所は知的財産裁判所の見解を維持してレジャーシューズ1品目が権利を侵害していると認定し、亞錡公司に対してCAMPER社に667万2000新台湾ドルを賠償するよう命じる判決を下した。
 CAMPER社は以下のように主張していた。該社は1877年に創業された世界的に有名な皮革製品、ブーツ・シューズのメーカーであり、それが所有するCAMPER商標のブーツ・シューズ、皮革製品に関連する商品は広く消費者から普遍的に認知されており、「CAMPER」商標は知的財産局から著名商標と認定されており、亞錡公司のレジャーシューズ1品目が該社の商標権を侵害している。CAMPER社の商品はわが国市場の競争において高度な独自性を有し、一定の経済利益を擁している。さらに亞錡公司のその他シューズ4品目は「CAMPER」シューズの外観デザインを高度に模倣しており、亞錡公司は積極的にCAMPER社の著名な「CAMPER」商品の知名度にただ乗りし、その努力の成果を搾取するもので、公平交易法(訳注:不正競争防止法や独占禁止法に相当)に違反しており、亞錡公司による関連シューズ商品の製造、販売を禁止するよう請求する。
 亞錡公司はこれに対して、シューズ製造業では経営において消費市場のトレンドを追随するものであり、CAMPER社が指摘している4品目のシューズはいずれも当シーズンの流行で、多くの業者も類似するシューズを販売しており、況してや多くの自社製品にはいずれも「MONTOYA」という文字が表示されており、消費者が「CAMPER」と「MONTOYA」のシューズを同一の出所からのものであると誤認しがたい、と答弁した。
 知的財産裁判所第二審の判決は以下のように指摘している。亞錡公司はCAMPER社の商標権を侵害した部分に対する損害賠償額が667万2000新台湾ドルであることを争ってはおらず、亞錡公司に上記金額を賠償するよう命じる。また、「商品外観がほぼ同じであること」と「外観デザインを高度に模倣していること」は異なるものであり、CAMPER社は亞錡公司が確かに「CAMPER」シューズの外観デザインを高度に模倣し、その努力を不当に搾取して、ビジネス競争倫理に適合していないことを証明すべきであり、両ブランドの外観デザインが類似しているだけで、即ち亞錡公司には取引秩序に影響する行為があるとは言えない。「MONTOYA」の4品目の外観デザインは「CAMPER」に類似しているものの、消費者に両者が同一の出所からのもの、同シリーズの商品又は関連企業であると誤認させ、CAMPER社の市場における競争的地位に影響を与えることを証明できる証拠がなく、亞錡公司に公平交易法違反はない。
 これにより、最高裁判所は知的財産裁判所の見解を維持して、CAMPER社の上訴を棄却し、亞錡公司にCAMPER社への損害賠償金667万2000新台湾ドルを支払うよう命じたため、判決は確定された。(2016年6月)
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