行政院が専利法一部条文改正案を可決、新規性喪失例外の猶予期間適用を拡大

J160805Y1・J160804Y1 2016年9月号(J205)
    2016年8月4日行政院会議は経済部知的財産局が提出していた「専利法」一部条文改正案を可決した(訳注:「専利」は発明特許、実用新案、意匠を含む)。今回の改正案は主にわが国の法制を環太平洋戦略的経済連携協定(略称TPP)の規定に適合させ、TPP参加に対する決意と努力を示すことを目標としている。本改正案の立法手続きが完了すれば、専利による研究開発成果の保護促進や、わが国のTPP第2次拡大交渉への参加推進にプラスとなる。
    今回の専利法改正の重点は以下のとおり。
一.出願人が専利の出願前にその技術を公開したとき、猶予期間(グレースピリオド)と呼ばれる特定の期間内に専利を出願すると、出願前になされた公開は専利の要件判断に影響しない。今回の改正では猶予期間を延長するとともに、公開事由を緩和している。さらに産業界のニーズに応えて、出願時における猶予期間主張の手続き要件を削除する。
二.専利権の存続期間は出願日から起算されるが、出願人は許可公告されてからでないと権利を取得できない。専利審査過程における不合理な遅延により、専利権者が権利を行使できる期間が短くなることを避けるため、今回の改正では、審査遅延を事由とする専利権期間の延長申請制度を導入する。今後、出願案件の審査が不合理に遅延したとき、専利権者は権利存続期間の延長を申請できるようになる。
三.薬事法の改正で特許リンケージ制度が導入されたことに対応し、後発医薬品の医薬品許可証(承認)審査手続きにおいて、新薬(先発医薬品)特許権者は提訴をもって権利侵害争議の法源の有無を明らかにすることができる。
    また、猶予期間延長に係る要件の改正(上記「一.」)が、出願人自らの研究成果に対する専利による保護取得に役立ち、産業に有利となることを考慮して、知的財産局は法改正が可決された後すぐに施行されることを希望している。その他の条文改正(上記「二.」及び「三.」)については、行政院がTPP交渉や関連作業の進展の状況をみながら改めて施行日を定めることにしている。(2016年8月)
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