キーワード広告の権利侵害訴訟で幸福空間公司が勝訴

J160819Y2・J160819Y4 2016年9月号(J205)
    幸福空間有限公司(Gorgeous Space Co.Ltd.、以下「幸福空間公司」)が所有する「幸福空間」商標は2007年正式に登録された商標であり、2014年には知的財産局から著名商標に認定されている。同社は2011年、Google検索サイトにおいて「幸福空間」をキーワードとして検索すると、表示される最初のページに同社の公式サイトはなく、逆に「キーワード広告」を購入したその他の企業で占められていることを発見した。幸福空間公司はGoogle台湾法人(中国名:美商科高国際有限公司台湾分公司)がその商標権を侵害していると判断し、2回に渡り内容証明郵便を送付し、Googleに「幸福空間」キーワードと関連する広告のリンクを削除するよう要求したが、Googleはこれを取り合わなかったため、知的財産裁判所に訴訟を提起した。
    知的財産裁判所は二審判決で以下のように指摘している。Googleは広告会社を通じてキーワード広告を幸福空間公司の競合相手である禾○公司等に販売しており、その際に中国語「幸福空間」をキーワードに入れるよう広告主に提案書で提案し、「幸福空間」を検索する消費者が競合相手のサイトにリンクするよう誤導を目論んだ。しかしながら、これら広告主サイトのコンテンツには「幸福空間」商標を使用しておらず、関連する文字の使用もすべて記述的使用であり、商標として使用していない。さらにいずれもその企業名等の識別可能な標示があるため、関連の消費者に誤認混同を生じさせることはなく、Googleに商標法違反の行為があったとは認めがたい。
    一方で、広告主である禾○公司等の室内設計業者が「幸福空間」のキーワード広告を購入したことは、明らかに「幸福空間」商標の知名度を利用し、幸福空間公司の潜在的顧客に広告主のサイトを観覧するよう導いて、広告主の取引チャンスを拡大しようとするものである。Googleと禾○公司等の広告主がキーワード広告の手段を以って著名商標「幸福空間」の知名度にただ乗りする行為には、幸福空間公司が潜在的顧客との取引を失うおそれがあり、改正前公平交易法第24条(現行第25条)に定める不正競争行為を構成している。ただし、幸福空間公司はその損害額を証明できないため、Googleが販売した「幸福空間」キーワード広告収入で損害額を推算し、Googleにその3倍の金額である計6万7146新台湾ドルを賠償するとともに、「幸福空間」商標をキーワード広告としないように命じる判決を下した。
    Googleは二審判決を不服として上告したが、最高裁判所は原審判決を維持して、Googleの上告を却下した。(2016年8月)
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