三立電視の番組伝送信号を無断で受信、ホテル業者への賠償命令判決が確定

J160808Y3 2016年9月号(J205)
    三立電視股份有限公司(Sanlih E-Television Inc.、以下「三立公司」)は六福開発股份有限公司(The Leofoo Development Co., Ltd.、以下「六福公司」)の傘下にある六福皇宮飯店(The Westin Taipei)が利用許諾を受けずに無断で番組「新台湾加油」を放送し、三立公司の著作権を侵害したとして提訴した。先日、最高裁判所は知的財産裁判所の見解を維持し、六福公司に対してテレビ番組伝送信号を提供した百年国際科技有限公司(Centennial International Tech. Ltd.、以下「百年公司」)、海山豊国際開発股份有限公司(以下「海山豊公司」)と連帯で賠償金20万新台湾ドルを三立公司へ支払うほか、新聞に謝罪広告を掲載するよう命じ、六福公司敗訴の判決が確定した。
    知的財産裁判所の二審判決によると、「新台湾加油」は三立公司のテレビニュースチャンネル「三立新聞台」が制作した番組で、三立公司が著作権を有している。元来六福公司は三立電視の代理店である九太科技股份有限公司(JeouTai Technology Co.,Ltd)と契約していたため、「新台湾加油」を公開放送することができた。しかしながら2010年11月30日に契約が満了となった後、六福公司は契約を更新せず、百年公司を通じて番組伝送信号を取得し、海山豊公司が回線を敷設し、機器を提供して、さらに海山豊公司と百年公司からIPTV方式(ネットインフラとIP(Internet Protocol) ネットワークを通じて利用者に提供するサービス)で番組伝送信号を六福皇宮飯店の機械室に送り、さらに客室288室へと送って、六福皇宮飯店の宿泊客が視聴できるようにした。三立公司はそれぞれ2012年6月15日、2013年1月14日、同年1月15日に六福皇宮客房で該番組を録画し、六福公司等が三立公司の公開放送権と公衆送信権を侵害しているとして提訴した。
    また知的財産裁判所は二審判決で、本件はIPTVの方法で番組「新台湾加油」を客室に伝送して宿泊客の視聴に提供しているが、六福皇宮の宿泊客が管理された範囲において単方向で即時に該番組を受信できるだけなので、公開放送に該当し、六福公司等が侵害したのは三立公司の公衆送信権ではなく公開放送権であるとしている。
    さらに、六福公司等が番組「新台湾加油」について利用許諾を受けないと放送できないことを明らかに知りながら、正当な取引経路で利用許諾を得ることなく、三立公司の著作権を侵害した。その侵害期間が2012年6月15日から2013年3月31日までの合計290日間であり、短くはない。さらに九太公司による単一チャンネルの見積額が1日1部屋当たり3新台湾ドルであること、「新台湾加油」がチャンネル全体の放送に占める割合、六福皇宮の客室数が合計288室であること等の一切の状況を斟酌し、六福公司等に連帯で三立電視に対して賠償金20万新台湾ドルを支払うとともに、新聞に謝罪広告を掲載するよう命じる判決を下した。(2016年8月) 
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