工研院がNVIDIA社とMOUを締結、自動運転とAIの開発で協力

J160922Y5・J160921Y5 2016年10月号(J206)
    工業技術研究院(ITRI)は2016年9月21日、NVIDIA社と協力覚書(MOU)を締結し、双方の強みを組み合わせてディープラーニング(深層学習)技術、人工知能(AI)の開発と応用に関する戦略パートナーとなる。ディープラーニングとAIを自動運転車とロボットに導入してインテリジェント化することを優先の協力項目とし、今後AIの応用を様々な分野へ拡大するための基礎を構築していく。
    NVIDIA社の台湾地区統括マネージャー兼セールス・マーケティング担当バイスプレジデントの邱麗孟氏によると、同社はエンドツーエンド(E2E)のラーニング・アーキテクチャを構築しており、自動運転車の開発者のための「DriveWorks」ソフトウェア開発キット(SDK)でディープラーニングの最適化プラットフォームを提供しているという。ITRIの自主開発システムと自動車用システムソフトウェアとを組み合わせることで、双方は台湾の自動運転車に関する技術レベルを高め、台湾自動車産業によるディープラーニングという自動化の未来への邁進を促進していくことになる。
    ITRI機械及び機電システム研究所(Mechanical and Mechatronics Systems Research Laboratories)の胡竹生所長によると、ITRIは1年余り前から自動運転技術の開発に着手しているが、ITRIの得意とする分野は情報、通信、電子、機械等に及び、これは極めて大きな開発チームであるという。ITRIはまず内部で技術を開発した後、清華大学、交通大学と提携し、外部にさらに大きなアライアンスを形成した。今回のNVIDIAとの提携は、技術の産業化にとっての起爆剤に等しい。このプラットフォームにおいて、NVIDIAのディープラーニング向けGPUを利用して膨大なグラフィック演算を行うと同時に、NVIDIAのクラウド・コンピューティング・サーバを運用し、これらの映像と演算の結果をクラウドに保存する。
    今回、双方の戦略的提携では自動運転やAI等の技術を開発することにより、車両が自ら学習した経験がクラウドデータベースに集められ、車両がディープラーニングプラットフォームを通じて相互学習できるようになる。徐々にディープラーニングとAIの技術力を積み重ねることで、ディープラーニング技術を工業用ロボットのインテリジェント能力向上にまで拡大するとともに、サービス型ロボットにおける人と機械とのインタラクティブな体験等の様々な分野でも応用し、システムの価値をさらに高め、台湾産業の進化を後押しすることになるだろう。
    数ヵ月にわたる自動運転モジュール識別訓練を経て、現在ITRIの自動運転プロトタイプ車は決められた道路において順調に運転できるようになっている。当初は遊園地内の車両、高速鉄道や大量高速輸送システム(MRT)の点検車両のように、決められた路線を選定し走行速度が遅い自動運転車両を応用範囲とする。さらに数年以内にはITRIにおける自動運転シャトルバスサービスを開始することも目指す。その時点で車両は自動的に路線を判断して走行し、決まった場所で乗客の上下車を行い、終点に到着すると、折り返して一番近い駅へ戻ることができるようになる。自動運転車技術の民生領域における応用が具現化されようとしている。(2016年9月)
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