グッチ、LV等の偽ブランドバッグを販売、基隆の皮革製品店に520万新台湾ドル賠償命令の判決

J161204Y2 2017年1月号(J209)
    基隆市で皮革製品店を経営する劉○○は3000~2万新台湾ドルの価格でグッチ、ルイ・ヴィトン(LV)等の有名ブランドを模倣したバッグ、ベルト、財布を販売し、有名ブランド本社5社から高額の賠償金を請求されていた。知的財産裁判所は基隆地方裁判所の見解を維持し、劉○○には商標法規定に違反があると認め、懲役3ヵ月に処したほか、賠償金520万新台湾ドルの支払いを命じる判決を下した。
    グッチオ・グッチS.P.A.(Guccio Gucci S.P.A.)、ルイ・ヴィトン・マルティエ(Louis Vuitton Malletier)、エルメス・インターナショナル(Hermes International)、クリスチャン・ディオール・クチュール(Christian Dior Couture)、ボッテガ・ヴェネタSA(Bottega Veneta SA)は、劉○○(男)が2014年5月から10月7日警察に摘発されるまでの間、それが経営する皮革製品店においてそれらブランドを模倣したバッグ、ベルト、及び財布を販売し、それら5社に重大な損害を与えたとして告訴を提起して、劉○○の商標法違反を主張するとともに、損害賠償を請求した。グッチ等5社は商標法に規定される損害額の1500倍以下を賠償請求額とし、劉○○に対して計3220万新台湾ドルの賠償金を請求した。
    劉○○は先に基隆地方裁判所から商標法違反で懲役3ヵ月の判決を受け、知的財産裁判所に上訴したが棄却され、判決が確定している。さらに、基隆地方裁判所から商標法の賠償請求規定に基づき520万新台湾ドルを賠償するよう命じる判決を受けた。その内訳はグッチに120万新台湾ドル、ルイ・ヴィトンに230万新台湾ドル、ボッテガ・ヴェネタに84万新台湾ドル、クリスチャン・ディオールに16万新台湾ドル、エルメスに70万新台湾ドルであった。劉○○はこの判決を不服として、知的財産裁判所に上訴していた。
    知的財産裁判所によると、グッチ等5社はいずれも基隆地方裁判所と知的財産裁判所において商標権侵害に係る商品(訳注:ここでの商品項目はバッグ、財布、ベルト等)の各単価の総額ではなく、商標権侵害に係る商品の平均小売単価(訳注:各単価の総額を項目数で割った平均値)を以て損害賠償額算出の基礎とする方法を採用するよう主張しており、劉○○に有利である(訳注:商標権侵害に係る商品の項目が複数であるとき、項目毎に起訴できる。商品が多様であるため、同一の起訴事実に基づいて併せて賠償請求する場合は、各商品項目の単価の総額を基礎として、その1500倍以下を賠償請求することができる)。よって知的財産裁判所は本件の損害賠償額の算出方法として、商標権侵害に係る商品の平均小売単価の20倍乃至250倍を損害賠償額とするグッチ等5社の主張は正当であり、劉○○の上訴を棄却して、賠償額520万新台湾ドルを維持した。本件につき上訴できる。(2016年12月)
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