「別蚊我」商標に識別性あり、商標権侵害で業者に有罪判決

J170121Y2 2017年2月号(J120)
    新錸国際実業有限公司(Shin Lai International Industry Limited Company、以下「新錸公司」)は2016年4月からテレビショッピングやオンラインショッピング等のプラットフォームにおいて、「『新錸家居』別蚊我—無線滅蚊神器」を商品のタイトルとして電気蚊取り器を販売した。「別蚊我」商標を所有する台湾優生股份有限公司(Taiwan US Baby Articles Co., LTD.、以下「優生公司」)は電気蚊取り器を優生公司が生産販売する商品だと消費者に誤認混同を生じさせると考えて告訴し、新北地方裁判所の検察官が取調べを行い起訴した。新北地方裁判所は先日、新錸公司の代表者である詹○○に対して商標権侵害により5ヵ月の懲役に処し、罰金への転換も可とする判決を言い渡した。さらに上訴できる。
    優生公司側の主張は以下のとおり。「別蚊我」商標は「吻」を「蚊」に置き換えた(訳注:「別吻我(no kiss)」と同音)識別性の高い商標であり、同商標は蚊よけシート、蚊よけ虫刺され薬等の商品に使用されているが、新錸公司の蚊取り器は同類の商品であるため、2016年5月に発見した後、新錸公司及びショッピングプラットフォームに対して「別蚊我」に類似する商標の使用を停止するよう要求した。
    新錸公司の代表者である詹○○は以下のとおり答弁した。同社が販売する商品は蚊取り器であり、「別蚊我」商標の指定商品に蚊取り器は含まれていない。また新錸公司が販売する商品はいずれも自社の商標を使用しており、その商品のタイトルにある「別蚊我」(即ち「蚊よ、私を刺さないで」の意)を商標としては使用しておらず、その商品の機能性を説明、形容しているにすぎないため、善意の使用である。
    判決書は以下のように指摘している。「別蚊我」商標は2012年と2013年に登録された後、優生公司が長年にわたって宣伝し、ハーブ虫除けスプレー等の商品に使用しており、数百万新台湾ドルの広告費を投じているほか、有名人を商品のイメージキャラクターとして起用しており、該商標は生来的識別力を有しているほか、消費者に広く認知されている。
    しかしながら、新錸公司はショッピングプラットフォームで蚊取り器を販売した際に、「別蚊我」を商品のタイトルとし、目立つ位置に配した。字の前後のいずれにも「別蚊我」をその他の文字と混ざらないようにするための適当な間隔や句読点がみられない。このため消費者は商標と認識してしまい、新錸公司が「別蚊我」商標の高い知名度にただ乗りするおそれがある。よって新錸公司の代表者である詹○○に対して5ヵ月の懲役に処し、罰金への転換も可とする判決を言い渡した。さらに上訴できる。(2017年1月)
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