台南「度小月」に類似するため「宜蘭渡小月」商標の登録を拒絶

J170107Y2・J170106Y2 2017年2月号(J120)
    国賓をもてなした料理を食べることができる宜蘭の有名レストラン「宜蘭渡小月」は2013年11月に「宜蘭渡小月」商標を知的財産局に出願し、2014年10月に2件の商標出願に分割した後、分割後の「宜蘭渡小月」商標出願において「レストラン、旅館」等の役務での使用を指定した。知的財産局は審査の結果、台南の「度小月」商標と類似しており、いずれも類似の役務に使用することから、消費者は誤認混同し得ると認定し、拒絶査定を下した。「宜蘭渡小月」レストランはこれを不服として行政訴願を提起したが経済部に棄却されたため、行政訴訟を提起した。知的財産裁判所は先日「宜蘭渡小月」レストランに敗訴の判決を言い渡した。さらに上訴できる。
    「宜蘭渡小月」レストランは以下のとおり主張した。「宜蘭渡小月」レストランは1968年に開業し、レストラン名は長い間使用されており、これは「度小月」商標の登録時期(1978年5月8日と1995年9月4日)よりも前であることから、「宜蘭渡小月」レストランは「宜蘭渡小月」商標を善意で使用するもので模倣する意図がないことがわかる。該商標は台湾の地名である「宜蘭」と「渡小月」から構成され、その中の地名「宜蘭」は提供する商品又は役務の主な特色が「宜蘭風味」であることを明示している。さらに「宜蘭渡小月」レストランは中高価格帯のフルコースサービスを主に提供しているのに対して、台南「度小月」レストランは台南の伝統的な軽食で有名であり、リーズナブルな価格で提供している。よって両者は市場における位置づけ、消費価格帯ともに異なる。さらに経済部商業司が行った活動において、「宜蘭渡小月」と「度小月」をそれぞれ東部と南部の老舗として選出しており、双方の商標は市場で長年にわたり併存しており、消費者が誤認混同するには至らないはずである。
    知的財産裁判所は、双方の商標が消費者に与える主な印象は「渡小月」、「度小月」の三文字で、外観が類似し、呼称が同じであり、いずれも「景気が良くない月を乗り越える」という意味であり、観念も同じである、と認めた。
    また双方の商標はいずれもレストラン、飲食店等の役務に使用され、消費者が同一のシリーズの商標であると誤認させる可能性が確かにあり、さらには「宜蘭渡小月」レストランの看板には「渡小月」の三文字が使用され、登録しようとする商標である「宜蘭渡小月」ではなく、「宜蘭渡小月」商標と「度小月」商標が長年併存してきたとは認めがたく、「度小月」商標の出願と登録許可はいずれも「宜蘭渡小月」商標よりも前であるため、知的財産裁判所は「宜蘭渡小月」レストランの請求を棄却した。(2017年1月)
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