清華大学が高性能OLEDを開発し、性能は世界記録を更新

J180322Y5 2018年4月号(J224)
    携帯電話のスクリーン、高画質ディスプレイ、各種照明器具に繁用される有機エレクトロルミネッセンス(OLED)の技術が大きく躍進した。国立清華大学(National Tsing Hua University)化学科の鄭建鴻教授、劉瑞雄教授及び材料学科の林皓武教授で構成される研究チームが「次世代ジボロン(Diboron)発光材料デバイス」の開発においてブレークスルーを成し遂げた。同チームは科技部(訳註:行政院において科学技術発展に関する行政を担当する部門)において、次世代ジボロン材料を緑色OLED発光層に用いることで、デバイスの性能について世界記録を更新しただけではなく、大幅なコストダウンという強みを持たせることができた、と発表した。その研究成果は世界のオプトエレクトロニクス分野で最も著名な月刊誌「ネイチャー・フォトニクス(Nature Photonics)」に掲載された他、台湾において特許を取得し、米国、日本、中国でもすでに特許を出願している。
    鄭建鴻教授によると、この次世代ジボロン材料は第三世代熱活性化遅延蛍光(TADF)の特性を有し、棒状の分子形状を熱蒸着させ、水平に排列させると同時に、デバイスの発光効率を高めるものであり、そのデバイス構造のおかげで従来の蛍光OLED及びリン光OLEDが直面する外部量子効率の制約を打破することができたという。研究チームはデバイス製造工程と角度分解スペクトル測定技術に熟練しているため、超高性能の緑色OLEDデバイスの製造に成功できた。その外部量子効率は38%に達し、デバイスを輝度1000 cd/m2で操作したときのロールオフ率はわずか0.3%であった。
    研究チームの成果は劉瑞雄教授が主導する「前瞻物質基礎與應用科學中心(Frontier Research Center on Fundamental and Applied Sciences of Matters)」のプロジェクトとして引き続き開発していき、材料の誘導体化とOLED寿命テストの実用的な発展を目指し、材料の商業化に向けてのスケジュールを進め、2年以内に完了できる見通し。(2018年3月)
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