元従業員が競業避止規定に違反、違約金96万余新台湾ドルの賠償命令

J190801Y4 2019年9月号(J241)
    偏光板メーカーA社が盧○○(A社の元従業員男性)を相手取り営業秘密の侵害と競業避止規定の違反で告訴した。台南地方裁判所は、盧○○の行為は営業秘密侵害を構成しないが、競業避止規定については違反しているとして、違約金96万余新台湾ドルの支払いを命じる判決を下した。本件は上訴できる。
    台南地方裁判所は判決書にて以下のように述べている。盧○○は2003年9月15日から2014年9月15日までの間A社に在職し、2014年7月から同年9月までの間に整合技術部生産技術課の課長を務めた。双方の間で雇用契約書(競業避止規定、秘密保持規定等を含む)と秘密保持誓約書が交わされていた。盧○○はA社の製造工程に係る機密技術に精通しており、離職した後に競業避止規定を遵守しなければならないことを知りながら、2014年9月22日からC社(B社の子会社)で製造部の「経理」(訳注:日本の部長クラスに相当)に就任し、実質的にB社の偏光板プロジェクト研究開発に従事した。この行為は双方が約定した競業避止規定に違反している。よってA社が盧○○に対して1年分の給与から計算した違約金96万余新台湾ドルを請求することには理由がある。
    さらに(判決書によると)、A社は、盧○○は2014年7月7日から7月22日までの間にB社へ転職する機会を獲得するため、職務上の権限を利用して、A社にとって重要な「Tプロジェクト」の資料を無断でコピーし、その個人のアドレスに転送しており、「Tプロジェクト」の営業秘密をB社に漏洩した疑いがあると主張している。しかしながら、たとえ「Tプロジェクト」がA社の営業秘密だと認定されたとしても、A社は盧○○が「Tプロジェクト」の営業秘密をB社に転送したとの主張について挙証しておらず、同時にその営業秘密が侵害されたことも証明できない。よって盧○○が営業秘密を侵害したとするA社の訴えについては理由がなく、棄却する。(2019年8月)
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