台湾の科学研究開発力を評価、「2020 R&D 100 Awards」で台湾が大賞7件を受賞
J201006Y8・J201006Z8 2020年11月号(J255)
「テクノロジー産業のアカデミー賞」と呼ばれる米「R&D 100 Awards」の2020 年受賞者が発表された。経済部(Ministry of Economic Affairs)の管轄下にある研究開発法人だけでも大賞6件を受賞して、13年連続受賞の快挙を成し遂げた。
経済部の技術処(Department of Industrial Technology)による「科学技術開発プログラム(Technology Development Programs)」と能源局(Burea of Energy)による「業界エネルギープロジェクト(Industrial Energy Projects)」のサポートを受けて、今年受賞した技術には、工業技術研究院(ITRI、以下「工研院」)の「色素増感太陽電池のスマートホームへの応用技術(Dye-sensitized cell (DSC) as Energy source Of Sensors, D-EOS)」、「高エネルギー及び高安全性の樹脂固体電池(Networked Amide Epoxy Polymer Electrolyte for Solid State Lithium-Ion Batteries, NAEPE」、「慢性創傷に対するスマートケア(A Smart-Care Solution for Chronic Wound, iSCare)」、金属工業研究発展センター(MIRDC)の「運転状態の風力タービンに対する無人航空機による検査システム(Continuously Rotating Wind Turbine Unmanned Aerial Vehicle Inspection System)」、「制御可能な水反応性マグネシウム合金(Controllable Hydro-Reactive Magnesium Alloy)」、資訊工業策進会(III、以下「資策会」)の「デジタルツインによる製造意思決定システム(Production Decision Support System (PDSS) with Digital Twins Solution for Bicycle Industry)」等が含まれ、それらの技術はすでに台湾塑膠工業股份有限公司(Formosa Plastics Co., Ltd)、台湾中油股份有限公司(CPC Corporation)、有量科技股份有限公司(Amita Technologies, Inc.)、格斯科技股份有限公司(Gus Technology Co., Ltd)等の企業と提携している。
今年のR&D 100 Awardsでは、米国以外の機関が受賞したのは16件だけで、そのうち台湾が7件、日本が5件を占めた。これは台湾の科学研究開発力が世界に評価されたことを示すものである。工研院が13年にわたって受賞した技術は44件に上り、その9割がすでに技術移転を通じて応用されており、工研院は産業界のために世界で新たな価値を創出しているといえる。(2020年10月)