衛福部がロッシュやメルク等の医薬品メーカーと提携 ガン関連のデータベース・コンソーシアムが始動
J211019Y5・J211019Z5 2021年11月号(J267)
台湾のヒト由来生体試料に関する強みを活かして、プレシジョン・メディシン(がんゲノム医療)の発展を促すため、衛生福利部(Ministry of Health and Welfare)と国家衛生研究院(National Health Research Institutes)は、羅氏大薬廠股份有限公司(Roche Products Ltd.、以下「台湾ロシュ」)、台湾黙克股份有限公司(Merck Ltd.、以下「台湾メルク」)、及び台湾中外製薬股份有限公司(Chugai Pharma Taiwan Ltd.、以下「台湾中外製薬」)と2021年10月18日に、共同で実施する「プレシジョン・メディシン及びバイオバンク・コンソーシアム」提携パイロットプロジェクトを正式に始動すると発表した。台湾ロシュは、台湾ナショナル・バイオバンク・コンソーシアム(National Biobank Consortium of Taiwan、以下「NBCT」)と台湾全土の医療機関の協力を通じて、2,000人(の患者)に2億新台湾ドル相当の包括的がんゲノムプロファイリング(CGP)検査を提供し、台湾メルク、台湾中外製薬と手を組んで、CGP検査結果を基に最適な分子標的治療薬をこのプロジェクトに参加する患者に提供し、2,000人分のCGP検査結果を今後の医薬品開発に活用することにしている。これは、世界大手製薬メーカーとの台湾ヒト由来生体試料を利用した大型提携としては初めてのケースとなる。
NBCTは2019年に設置され、わずか2年で30機関以上のバイオバンクが参加し、登録されたデータは51.1万人分に上る。この計画では、フォーマット化されていなかった重要な医療データを、医療産業が再利用できるような構造化データとして提供しており、すでに産学研界がそれぞれのニーズに応じて使用を申請できるようにしている。(2021年10月)