聯電によるマイクロン営業秘密侵害事件、二審判決で聯電に2000万新台湾ドルの罰金刑

J220128Y4・J220127Y4 2022年2月号(J270)
    マイクロン社が聯華電子股份有限公司(UNITED MICROELECTRONICS CORP.、以下「聯電公司」)等を営業秘密侵害で告訴していた事件について、知的財産及び商事裁判所は2022年1月27日に原判決を取り消し、被告人戎樂天に無罪、被告人何建廷に懲役1年及び罰金100万新台湾ドル、執行猶予4年、被告人王永銘に懲役6ヵ月及び罰金100万新台湾ドル、執行猶予2年、聯電公司に罰金2000万新台湾ドル、執行猶予2年の判決を言い渡した。知的財産及び商事裁判所が発表したニュースリリースには以下のように述べられている。
    本裁判所は、告訴人(マイクロン社)が米国及び台湾における重要な世界的ハイテク企業であり、長期にわたって大量の人材とリソースを投入して研究成果を上げていること、またマイクロン社では従業員と雇用契約(Employment Agreement)及び秘密保持及び知的財産契約(Confidentiality and Intellectual Property Agreement)を締結しており、会社の大切な研究開発に係る資産の漏洩リスクを減らし、従業員が不注意で容易に外部に漏洩して今後の国際競争力に影響を与えることがないように、社員教育研修においても従業員には会社の営業秘密を保護する義務があることを繰り返し強調し、注意を促していることを斟酌した。被告人の何建廷及び王永銘はマイクロン台湾法人と秘密保持及び知的財産契約を締結しており、同社の営業秘密保護に関する規範を知っていたはずであり、両名には契約に基づいて秘密保持の義務があったが、両名は転職を有利にするため告訴人の秘密保持規範を遵守しなかった。被告人何建廷はマイクロンの営業秘密を削除、廃棄せず、複製、使用し、また被告人告王永銘は無断で告訴人公司(マイクロン社)の営業秘密を複製して、使用し、さらにはDR25nmS設計規則のパラーメータデータを被告人聯電公司の管理職者、即ち被告人戎樂天に漏洩して、告訴人の権益に甚大な影響を与えたため、これは2013年の営業秘密法改正において刑事責任規定を追加して規範しようとした最も重要な行為に該当する。被告人何建廷、王永銘の犯行後の態度、犯罪動機、目的及び手段を酌量し、前述の懲役及び罰金を科した。
    本事件の審理期間において、被告人聯電公司は告訴人公司と和解しており、告訴人は書面で本事件における親告罪に関する部分の告訴を取り下げ、非親告罪の部分に対しては、各被告人の刑量を減らす判決結果に異論がないこと等を示した。また、調べたところ、被告人何建廷、王永銘はかつて懲役以上の刑を宣告されたことがなく、それは台湾高等裁判所の被告人に係る過去の事件の記録から調べることができる。検察官は罪を認めている被告人に対して刑の執行を猶予することに同意しており、被告人聯電公司も補償しようとしている。被告人何建廷、王永銘、聯電公司は本件の審理過程と科刑判決を通じて、戒めを受け、再犯のおそれはないため、宣告刑を暫時執行しないことは適当であり、本裁判所より各被告人に対して更生のために執行猶予宣言を告知した。また本裁判所は、各被告人が執行猶予期間に随時警戒心を高め、教訓を学び取ることで、再犯を根絶するため、さらに刑法第74条第2項第5号規定に基づき被告人何建廷、王永銘に対して、指定の政府機関、政府機構、行政法人、コミュニティ又はその他の公益目的の機構又は団体においてそれぞれ200時間、100時間の義務労務(社会奉仕)を行うよう説諭した。(2022年1月)
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