中国立訊公司へ転職の可成公司元従業員14人を営業秘密窃取容疑で起訴
J220715X4 2022年8月号(J276)
新北地方検察署はニュースリリースにて、可成科技股份有限公司(Catcher Technology Co.,Ltd.、以下「可成公司」)の元従業員である鄭○○等14人を證券交易法(証券取引法)の特別背任罪及び営業秘密法の外国での使用を意図して営業秘密を侵害した罪等の容疑で、2022年7月15日に起訴したと発表した。
可成公司は台湾金属ケース業界でトップシェアを誇るメーカーで、米アップル社のiPhoneやiPad等製品にとって重要なサプライヤでもある。その競合相手である中国の立訊精密工業股份有限公司(Luxshare Precision Industry Co., Ltd.、以下「立訊公司」)は短期間でアップルのサプライチェーンに入り注文を獲得することを目指して、可成公司が中国に駐在させていた研究開発チーム(同チームの最高責任者は鄭○○)に対して、高額の家族手当や年収を提示し、立訊公司が量産できた暁には管理職にすることを約束する等の手段で誘い、可成公司の中国に駐在する研究開発チームを上から下まで引き抜き、被告鄭○○等14人が離職する前に、手分けして研究開発、営業に関連する可成公司の営業秘密資料を大量に窃取し、立訊公司に持っていき使用することを約定した。立訊公司はチームごと引き抜くことで、短期間で工場を建設してiPhone、iPad等製品のケースを量産することができた。可成公司の長年にわたる研究開発の成果が窃取されることで、可成公司に巨額の損害がもたらされた。
本件は1年6ヵ月に渡る取調べを経て、2022年7月15日に取調べを終結し、被告人鄭○○等14人を証券取引法第171条第1項の特別背信罪、営業秘密法第13条の2、第13条の1の外国での使用を意図して営業秘密を侵害した罪等の容疑で起訴した。(2022年7月)