産業創新条例第10条の2及び第72条改正案が立法院第三読会を通過

J230107Y9 2023年2月号(J282)

 経済部の「産業創新条例(Statute for Industrial Innovation)第10条の2及び第72条」改正案が、2023年1月7日付けで立法院第三読会を通過した。経済部によると、台湾は世界のサプライチェインにおいて重要な一端を担っており、グローバル企業にとって長期にわたって信頼を置けるビジネスパートナーであり、独自性と代替不可能性を有する。米国、日本、韓国、EU等が巨額の奨励措置を打ち出して、主要産業(key industry)の自主性向上を推進しているため、台湾も主要産業の国際競争における優位性を強化すべきであり、経済部は産業創新条例第10条の2及び第72条の改正案を提出したという。今回の法改正は、主要産業による研究開発及び設備への投資についてより優遇的な税額控除を提供するものであり、適用資格要件について一定のハードルを設置し、企業が台湾に積極的に投資して根を下ろすことを奨励するとともに、経済協力開発機構(OECD)による国際法人税最低税率ルールの精神を取り入れて、産業の発展と適正な税負担の両面を考慮している。改正の重点は以下の通り。
 一、適用対象は産業の種類に制限されず、台湾で技術革新を行い、かつ国際サプライチェインにおいて重要な地位を占めている企業であればよく、適用要件に該当するものはすべて適用を申請することができる。
 二、適用要件には、当年度の研究開発費と研究開発費比率(研究開発費が純収益に占める比率)が一定の規模に達していること、かつ実効税率が一定の比率に達していることが含まれる。即ち2023年度の実効税率が12%、2024年度からは15%に達している必要があるが、2024年については経済部が財政部とともに、OECDによる国際法人税最低税率ルールを斟酌して、台湾企業に猶予期間を与えるために行政院に12%に調整することを求めることができる。
 三、適用要件に該当する場合は、先進的かつ革新的な研究開発支出額の25%が当年度の納めるべき営業事業所得税から控除される。また先進製造工程に用いる設備の購入費(一定額に達している必要あり)の5%が控除される。両者の控除税額はそれぞれ当年度の納めるべき営業事業所得税の30%を越えてはならず、両者の合計額は50%を越えてはならない。
 四、施行期間は2023年1月1日から2029年12月31日までとする。
 外界の関心を集めている関連法策定の方向については、経済部が財政部とともに6ヵ月以内に関連法案を策定する予定。適用要件の規模や用語の定義については、国内外の産業発展状況、主要な上場/店頭公開企業の研究開発費及び産業の研究開発費比率等を参考にするとともに、産業界の意見を集め、産業界、官界、学界の専門家の意見を聴取して定める。同時に産業発展の趨勢に対応してリアルタイムかつ段階的に修正を行う。さらに申請の流れ、申請の期限、審査の枠組み及び書式等についても関連法で定める。今後、出願案件は審査の枠組みを通じて、関連部署と外部専門家を招いて一緒に審査を行う。さらに、立法委員が関心を寄せている中小企業とイノヴェーション発展等の議題について、経済部は商品開発、デジタル転換、資金協力等の措置を提供して、多元的な政策ツールで発展に協力していく。(2023年1月)
 

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