知的財産局、2022年専利・商標出願受理概況を公表

J230210Y1・J230210Y2 2023年3月号(J283)

 2022年に知的財産局が受理した専利(特許、実用新案、意匠)の出願件数は7万2059件に上り、前年比でわずかに0.8%減少した。その中で、特許(5万242件)は前年比で2%増となり、過去10年の最高水準となったが、実用新案(1万4662件)、意匠(7155件)はいずれも7%減となった。商標の登録出願件数は9万4778件(区分数で12万2320件)となった。審査実績については、特許の(実体審査請求から)一次審査通知までの平均期間(FA期間)が8.8ヵ月、商標は5.2ヵ月となり、リーズナブルな審査期間の水準を維持している。
一、内国出願人による特許出願件数は横ばい
 内国出願人による特許出願件数は1万9400件で、前年比0.8%の小幅減少となった。これは主に、自然人と研究機関の件数が減少したことによるものである。また企業については1%増、教育機関も7%増であった。実用新案出願件数は1万3669件で、前年比6%減となり、意匠出願件数は3411件で、3%減であった。これは主に自然人と企業の件数が減少していることによるが、減少幅は2021年よりも小さくなっている。
二、外国出願人の特許出願件数が成長、日本が断トツの1位
 外国出願人の特許出願件数は3万842件に達し、前年比で4%増加して、3種類の専利の中で主流となった。外国出願人による実用新案と意匠の出願件数はそれぞれ993件、3744件で、減少傾向にある。
 外国出願人による専利出願件数を国(地域)別にみると、トップ5のうち、日本(1万3128件、前年比1%減)が群を抜いて1位となり、米国(8517件、7%増)、中国大陸(4424件、4%増)がそれに続いた。また韓国(2775件、16%増)がトップ5の中で最高の成長率となった。専利の類型別にみると、特許と意匠は日本が最多で、実用新案は中国大陸がトップだった。
三、商標の登録出願件数は横ばい、内国出願人による出願は増加
 商標について、商標登録出願は件数ベースで9万4778件、区分ベースで12万2320件に達し、過去20年においては2021年の(件数9万5917件、区分数12万3217件)に次いで2番目に多かった。そのうち内国出願人は7万4326件で、前年比1%成長したのに対して、外国人出願人は2万452件で、9%減少した。
 国(地域)別の商標登録出願件数トップ5の中で、中国が4324件で最多となったが、2位の米国(3572件)、5位の香港(1120件)とともに減少傾向にあるのに対して、3位の日本(3546件)は3%増加している。
四、統一企業が3年連続で内国出願人による商標登録出願トップに、外国人出願人はIPPLUS Technologyが最多
 内国出願人による商標登録出願件数は統一企業(Uni-President)が834件に達し、2020年から3年連続でトップとなり、王品餐飲(Wowprime)が189件、金車公司(King Car Food)が163件でそれに続いている。外国出願人による商標登録出願区分数はIPPLUS Technologyが150件で最も多く、騰訊控股(Tencent Holdings)とJohnson & Johnsonがそれぞれ94件でそれに続いている。
 内国出願人による商標登録出願を区分別にみると、第35類(広告、企業経営等)が1万5220件で最も多く、第30類(コーヒー、茶及びケーキ等)が7308件、第43類(レストラン、宿泊等)が7206件でそれに続いている。新型コロナウイルス感染症の流行でネットショッピング、リモート技術、ゲーム等に関連する第41類(教育、娯楽)と第9類(コンピュータ及びIT製品等)がそれぞれ7.5%、2.0%成長した。
外国出願人については、第9類(コンピュータ及びIT製品等)が4493件で最も多かった。区分数トップ5のうち第42類(科学的及び技術的サービス)以外はすべて2~21%の減少となっている。
五、専利と商標の審査はリーズナブルなFT期間を維持し、企業のタイムリーな業界戦略をサポート
 審査の品質と時間効率性のバランスをとり、特許と商標の最終処分までの平均期間(FT期間)は14.3ヵ月、6.5ヵ月の水準を維持し、企業が早期に権利を取得して、タイムリーに業界における戦略を展開するのに役立っている。(2023年2月)

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