生成系AIが知的財産権に関与 知的財産局が今後ガイドラインを作成し、知財紛争を回避

J230716Y1・J230716Y3 2023年8月号(J288)

 人工知能(AI)技術はチャンスをもたらすのと同時に、知的財産権に関する紛争も派生してしまう。経済部知的財産局は現在、生成系AIの著作物と専利権※に関わる懸念の討論に着手するとともに、AIモデル学習データのフェア・ユースの範囲について、将来ガイドラインの設置を企画し、一般大衆に権利侵害の問題を考慮するように注意を促す。(※訳注:「専利権」には特許権、実用新案権、意匠権が含まれる)
 知的財産局は次のように述べている。AI技術は現在なお萌芽期にあり、学習に使用するデータの出所が他人の作品なのかを確定できないため、AIの企業が(他人の作品を利用するために)利用許諾を得ているか、又は(AIの企業は)消費者に対し(AI生成物の)ビジネス目的の利用について再許諾できるのかを判断できない。疑問点が明らかになるまでは、不必要な法的紛争が発生するのを回避するために、一般大衆に対してAIが生成したコンテンツを娯楽用又は自分用のみに使用するようアドバイスしている。塾の教材使用は対外的に発行、販売を行っていないが、権利者の複製権及び頒布権を侵害する可能性があるため、慎重に行う必要がある。
 現行の著作権法が保障する主体は自然人又は法人であり、単にAIが生成した図や文字は原則的に著作権法の保護を受けないが、創作者がAIを補助ツールとして創作し、その創作の中に人類の思想や努力が寄与する部分が含まれているときは、法律の保障を受けるよう主張できる。
 AI演算法の発展と成果の権利帰属に係る問題について、知的財産局は、AI生成物が著作権又は専利権を享受できるのか、学習データのフェア・ユースの範囲、企業の営業秘密保護強化など3つの重要な角度から討論をすでに進めており、現段階では一般大衆のAI応用に対する懸念を収集し、将来的にはAIから派生する著作権というテーマでガイドラインやFQAを作成して、一般大衆の参考に供することを企画している。(2023年7月)

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