好房公司と永慶房屋に、信義房屋の営業上の信用毀損と公平交易法違反で、300万新台湾元の賠償命令判決

J230907Y4 2023年10月号(J290)

 信義房屋股份有限公司(Sinyi Realty Inc.、以下「信義房屋」)によると、永慶房屋仲介股份有限公司(Yung Ching Rehouse Co.、以下「永慶房屋」)は好房國際股份有限公司(以下「好房公司」)が運営するサイト「好房網(HouseFun)」を通じて、長期的、頻繁且つ大量に信義房屋のネガティブなニュースを流布し、信義房屋の営業上の信用を毀損したという。好房網のサイト、好房網のYouTubeチャンネルに掲載された文章と動画において、信義房屋「詐欺」、「悪徳」等の極端でセンセーショナルなタイトルで、「#信頼したために騙された?!」、「#不動産詐欺」、「#悪質な不動産仲介業者」、「#悪徳な信義」等のタグを付け、視聴者が信義房屋に対して容易にネガティブな印象を抱くようにYoutube動画のサムネイルを製作し、虚偽の動画要約を書き、それと同時に検索連動型広告を打った。このため信義房屋は好房公司と永慶房屋を提訴した。
 台北地方裁判所は2023年7月19日に、好房公司と永慶房屋との間には密接な関係があり、ニュース報道、広告等の方法を通じて信義房屋のネガティブなニュースを掲載する行為は信義房屋の営業上の信用を毀損するものであり、300万新台湾ドルの賠償金を支払うとともに、虚偽のネガティブなニュースを削除し、さらに好房公司と永慶房屋は判決主文を新聞に掲載して大衆に告知しなければならず、今後は「信義房屋」の文字を含む検索連動型広告を打ってはならないという内容の一審判決を下した。
 判決書によると、報道の自由は公共の利益にかかわり、最大限の保障を与える必要があるが、メディアが合理的に報道について裏付けを取らない、又は情報の真実性、正確性が疑われる明確な理由があるのに報道を行うことで、報道が事実とは異なり、他人の名誉を毀損したとき、「毀損行為による損害を賠償する責任を負わなければならない」としている。
 また、好房公司と永慶房屋は「信義房屋」のキーワードについて検索連動型広告を打ち、同時に又はそれぞれ好房網が製作した信義房屋のネガティブなニュース及び信義房屋が悪徳仲介業者であることを暗示するコンテンツを掲載し、すなわちネット上で信義房屋のニュースを読んだことがある潜在的顧客はいずれも頻繁に好房網が掲載した信義房屋のネガティブなニュースを受け取るようにしため、裁判所はさらに「信義房屋の潜在的顧客が流出するおそれがあり、公平交易法(訳注:日本の独占禁止法、不正競争防止法に相当)第25条でいう欺瞞的な又は著しく公正さを欠く行為を構成し」、「精確に信義房屋に興味を持つ潜在的な取引対象をターゲット層として、信義房屋の営業上の信用に打撃を与え、公正な取引の機会を奪うものであり」、「もし消費者の判断を誤らせるよう暗示する作用をもたらすならば、言論の自由が保障される範囲であるとは言い難く」、今後好房公司と永慶房屋は自ら、又は他人を利用して「信義房屋」のキーワードを含む検索連動型広告を打ってはならないと認定した。
 また、裁判所は「好房公司と永慶房屋との間に密接な関係があり」、好房公司の法定代理人林淑貞は永慶房屋法定代理人、創業者である孫慶餘の妻であり、しかも永慶房屋の大多数の株式は多くの法人が所有するもので、これらの会社法人の法定代理人はいずれも孫慶餘又は林淑貞であることから、「永慶房屋を実質的に掌握しているのは孫慶餘、林淑貞夫婦である」ことが分かり、そして永慶房屋と信義房屋とは競合関係にあるため、好房公司の行為は公平交易法第24条にも違反していると指摘した。(2023年9月)

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