AUO取締役会でドイツBHTCの買収を決議 スマートモビリティー生態系を開拓
J231002Y5 2023年11月号(J291)
AUO(友達光電)は2023年10月2日、正式な協議書の締結を済ませ、6億ユーロ(約204億台湾ドル)でドイツベーアヘラサーモコントロール(Behr-Hella Thermocontrol GmbH、以下「BHTC」という)の株式を100%買収したと発表した。これによりグローバル戦略を推し進めてスマートモビリティー生態系の開拓を目指す。今回の買収は既に取締役会の決議を経ており、今後各国の主務機関の許可を得たうえで、2024年上半期には自己資金による買収を完了させる予定である。
AUOによると、同社は世界をリードする革新的なディスプレイ技術を核心として、既に20年以上も車載用パネル分野に注力してきたので、自動車産業において厚い信賴を獲得しているキーパーツサプライヤーであるが、世界的に電気自動車、自動運転車が著しく発展し、自動車産業も目まぐるしい変革を遂げているため、ディスプレイアプリケーションが最も重要なコックピット体験における役割を担っているという。また、同社はパネル、車載用システムを始め、センサーとソフトウェアサービスの融合等、人とマシーンのインタフェース統合をとおして、一歩一歩スマートコックピットに発展させてきた結果、未來のスマートモビリティーサービスソリューションにおけるリーディングサプライヤーとなっているとのことである。
BHTCは1999年の創立で、車載ヒューマンインターフェース(Human Machine Interfaces;HMI)、車載空調制御機システム(Climate Control)電子制御ユニット等製品の研究開発、製造販売を専門的に行っており、一次サプライヤー(Tier 1)の能力があり、国際的なOEM自動車メーカーと強固な協力関係があるので、インターフェース市場の急速な発展趨勢においても、最も優位性を有する企業である。
AUOは、今回の買収によりスマートモビリティー事業展開における布石を打ち、製品ユニットと顧客の基礎を拡大することが、将来的な成長のカギであり、引き続き「AUOは単なるパネル会社に留まらず、技術革新を多様なフィールドに応用するソリューションにまで押し広げるサプライヤーになる」という目標に向かって前進すると強調した。
また、AUO董事長兼グループ戦略長の彭双浪氏は、グローバル生態系の競争及び産業チェーン構造の再編に直面する今この時に、AUOとBHTCが協力することはベストな優位性を発揮する相乗効果があり、双方の全世界をカバーする運営拠点と完成された現地生産基地、及び先端的研究開発と工程サービスチームを活かすことで、各地の自動車産業サプライチェーンとバリューチェーンを連結できるので、世界中の顧客とパートナーにより多様で卓越した革新的ソリューションを提供することができるとの展望を語った。(2023年10月)