ITRIとTSMCが共同開発した低消費電力の次世代メモリでハイパフォーマンスコンピューティング分野のビジネスチャンスを狙う
J240117Y5 2024年2月号(J294)
ITRI(工研院)は2024年1月17日に、TSMC(台湾積体電路)と共同開発したスピン軌道トルク磁気メモリ(Spin Orbit Torque MRAM;SOT-MRAM)アレイチップに革新的なコンピューティングシステムを搭載したので、メモリ内部のコンピューティングに適用でき、且つ消費電力も僅かSTT-MRAMの1%であると発表した。
ITRI電子・光電子システム所所長の張世杰氏は、ITRI及びTSMCで共同開発したSOT-MRAMユニットセルは、低消費電力と10ナノ秒(nanoseconds;ns)の高速動作等の利点を同時に実現しており、回路設計との統合によりメモリ内部のコンピューティングテクノロジーが完成したため、コンピューティングパフォーマンスがさらに向上し、従来型MRAMのメモリを主とした応用状況から脱却するものになると述べていた。
張世杰氏は、双方提携の成果を国際電子デバイス会議(International Electron Devices Meeting;IEDM)で論文として発表して、次世代メモリ技術の研究開発エネルギーを提示し、将来的にこのテクノロジーはハイパフォーマンスコンピューティング(High Performance Computing;HPC)、AI人工知能及び自動車用チップ等に応用できると述べた。(2024年1月)