知的財産局、2023年専利・商標出願受理概況を公表

J240206Y1・J240206Y2 2024年3月号(J295)

 知的財産局はニュースリリースにて2023年専利・商標出願受理概況を発表した。それによると、同局が受理した専利(特許、実用新案、意匠を含む)の出願件数は7万2607件に上り、前年比で1%減少した。その中で、特許(5万854件)は前年比で1%増加し、過去11年の最高水準となった。また実用新案(1万4466件)は1%減少し、意匠(7287件)は2022年のマイナス成長から転じて2023年は2%増となった。商標の登録出願件数は9万1535件で、前年比で3%減少した。審査実績については、特許の(実体審査請求から)一次審査通知までの平均期間(FA期間)が8.9ヵ月、商標は6.2ヵ月となっている。

内国出願人による特許・意匠出願件数は成長、実用新案の減少幅は縮小
 内国出願人による特許出願件数は1万9634件で、前年比1%増となり、とくに企業による出願件数が4%増加している。実用新型出願件数は1万3309件で、3%減となり、減少幅は2022年より小さくなっている。意匠出願件数は3437件で、6年連続の減少から、1%の増加に転じた。これは学校及び自然人による出願件数が増加したことによる。

外国出願人の特許出願件数が過去最高を記録、実用新案と意匠も成長
 外国出願人の特許出願件数は3万1220件に達して過去最高を記録し、前年比で1%増加した。外国出願人による実用新案と意匠の出願件数はそれぞれ1157件(前年比17%増)、3850件(同%3増)となった。
 外国出願人による専利出願件数を国(地域)別にみると、トップ5のうち、日本(1万3504件、前年比3%増)が安定して首位を守り、米国(7647件)、中国大陸(5002件)、韓国(3299件)、ドイツ(1198件)がそれに続いた。そのうち韓国と中国大陸はいずれも過去最高水準となった。トップ5の成長率については、韓国が19%増で最も高く、中国も13%成長し、米国とドイツはそれぞれ10%減、4%減となった。専利の類型別にみると、特許と意匠は日本が最多で、実用新案は中国大陸がトップだった。

商標登録出願件数は減少、コロナ禍前の水準に
 商標登録出願は件数ベースで9万1535件、前年比3%減(区分ベースでは計11万4680件、前年比6%減)となり、コロナ禍前の2019年の水準に戻った。これは内国人が3%減の7万1960件、外国人も4%減の1万9575件にとどまったことによる。
 国(地域)別の商標登録出願件数トップ5の中で、中国大陸が4822件(前年比12%増)で首位を占め、2位米国(3007件)、3位日本(2899件)がそれに続き、それぞれ前年比で16%減、18%減となった。

内国出願人による商標登録出願件数では統一企業が四連覇、外国出願人はTencentが最多
 内国出願人(法人)による商標登録出願件数は統一企業(Uni-President)が583件に達し、2020年から4年連続でトップとなり、台新銀行(Taishin Bank)(454件)、棨泰健康(Che Tai)(163件)がそれに続いている。外国出願人(法人)による商標登録出願についてはケイマン諸島のTencent Holdingsが118件で首位を獲得し、アラブ首長国連邦のInternational Foodstuffs(93件)、フランスのL'Oréal(90件)がそれに続いている。
 内国出願人による商標登録出願を区分別にみると、第35類(広告、企業経営及び小売・卸売等)が1万4477件で最も多く、第43類(レストラン、宿泊等)が7187件、第30類(コーヒー、茶及びケーキ等)が6390件でそれに続いている。その上位10区分のうち、第43類(レストラン、宿泊等)と第25類(被覆、履物等)2896件が横ばいであったのを除き、いずれも2.4~12.6%の減少となった。
 外国出願人については、第9類(コンピュータ及びIT製品等)が3910件で最も多かった。その上位10区分のうち、第30類(コーヒー、茶及びケーキ等)が1116件で6.7%成長したのを除き、いずれも2.1~23.5%の減少となっている。

専利審査期間は安定した水準を維持し、企業の業界戦略をサポート
 特許の一次審査通知までの平均期間(FA期間)は8.9ヵ月で、最終処分までの平均期間(FT期間)も安定してリーズナブルな水準を維持しており、審査の品質と時間効率性のバランスをとることで、企業が早期に権利を取得して、タイムリーに業界における戦略を展開するのに役立っている。商標の審査については、出願件数が8年連続して成長している一方で、審査人員の数が限られているという状況において、FA期間は6.2ヵ月となり、前年より1.0ヵ月長くなっているが、結審件数は9万43件と高い水準を維持しており、これは同年の出願件数の98.37%に相当する。(2024年2月)

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