出版社教材の違法複製と販売で権利侵害市価は10億新台湾ドル、塾の講師と経営者を書類送検

J240425X3 2024年5月号(J297)

 刑事警察局の知的財産権捜査大隊(原文:智慧財産權偵査大隊)は2024年4月25日、1件の著作権違反事件について発表した。それによると、台中と彰化にある学習塾の経営者、従業員等4名が大手出版社である康軒等の教材、ペーパーテスト及び問題データベースを違法に複製して、自ら使用したほか、他の学習塾に販売し、さらには蝦皮(Shopee)等の電子商取引プラットフォームで販売して、合計6000件の取引を行い、その不当利得は200万新台湾ドルに上るという。全件は著作権法違反により地方検察署へ送致される。
 警察は3月13~29日にそれぞれ彰化県及び台中市にある学習塾2ヵ所と4名の自宅を捜索し、違法複製したペーパーテスト約6000枚、著作権侵害の教材光ディスク200余枚及び光ディスク複製機等の設備を押収した。知的財産権捜査大隊によると、被害を受けた出版社に著作権侵害のペーパーテストに対する鑑定を依頼したところ、損害額は市価10億新台湾ドルに達すると推算され、しかも学校教師の使用だけに供する「校内用テスト」(出題参考用のペーパーテスト)も含まれ、学生の権益や試験の公平性に大きな影響を与えるものであるという。さらに、押収された実体の物品と光ディスクの電子ファイルが膨大な量であり、一部の押収証拠は鑑定がさらに必要であるため、証拠の整理が終わるのを待って、著作権法違反によりそれぞれ彰化と台中の地方検察署へ送致される。(2024年4月)

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