クローラ技術でスポーツ試合配信映像の信号を窃取、違法賭博サイトが8億3000万新台湾ドル規模の権利侵害
J240531Y3 2024年7月号(J299)
刑事警察局の電信偵査大隊(Telecommunications Investigation Corp、以下「電偵大隊」)は、スポーツベット(訳注:スポーツの試合に賭けられるカジノゲーム)の違法賭博サイトを摘発したと発表した。この違法賭博サイトはスポーツベットを提供するだけではなく、クローラ技術で国内外のスポーツ試合のライブ配信映像の信号を窃取し、賭客に無料でネットライブ配信していた。警察はエンジニアの洪容疑者等18名を逮捕して送検した。中華職棒大聯盟(CPBL TV)、愛爾達(Elta)等のOTTサービス業者はすでに権利を侵害されたとして告訴しており、その被害額は概算で8億3000万新台湾ドル余に上っている。
電偵大隊によると、この違法賭博サイトは、従来のネット賭博の運営方式とは異なり、様々なスポーツベットの賭け方を提供しており、ライブスポーツベットでは、賭客は試合のライブ配信を見ながら、ベットを追加することができ、新しいタイプの賭博サイトだとという。
警察では2023年1月16日から2024年5月7日までの間に信号窃取の行動モデルを分析し、さらにネット上で逆探知の追跡技術を使って窃取された信号を発信したコンピュータの場所を特定した。台中市北屯区に位置するコンピュータルーム2ヵ所を次々と家宅捜索し、現金21万新台湾ドル余とサーバ等設備を差し押さえるとともに、同犯罪グループの責任者である呉容疑者及びシステム保守を担当するエンジニアの洪容疑者等18名を刑法の賭博経営罪(訳注:日本の賭博場開帳図利罪に相当)、著作権法違反等の罪で台中地方検察署へ取り調べのために移送した。(2024年5月)