営業秘密の違法複製で、リチウム電池大手の元PMを起訴
J240716X4 2024年8月号(J300)
泓辰材料股份有限公司(HCM Co., Ltd.)はリン酸マンガン鉄リチウム電池(LMFP)正極材料を世界で初めて製造した正極材料メーカーであり、同社の元プロジェクトマネージャー(PM)が営業秘密に関わるファイルを違法に複製し、個人のUSBに保存して社外に持ち出し、19.44億新台湾ドル相当の営業秘密を漏洩させた。
桃園地方検察署はニュースリリースにおいて、同事件は近日捜査が終結し、鄒被告人を営業秘密法第13条の1第1項第2号、第3号の許諾範囲を超えて営業秘密を複製した罪及び刑法第359条の正当な理由なく他人の電磁的記録を取得した罪等を犯した容疑で起訴するとともに、鄒被告人がもたらした損害を考慮し、ハイテク産業の健全な発展を維持し、国家の産業競争力を確保するために、裁判所に対して厳罰化を求めたと述べた。
鄒被告人は泓辰公司において、材料事業処生技部のプロジェクトマネージャーを担当し、社内の研究開発プロジェクトに参加していた。鄒被告人は離職する前、即ち2023年12月8日から2023年12月26日まで、LMFP電池正極材料の生産技術、配合及び設備の研究開発に関する機密資料に接触する機会を利用し、無断で会社の製品の生産技術、配合及び設備の研究開発に関する営業秘密のファイル計5,861個を個人のUSBとポータブルHDD に複製して社外に持ち出し、19.44億新台湾ドル相当の営業秘密を漏洩させ、同社に巨額の損失を与えた。検察官は調査官を指揮して2024年4月29日に鄒被告人の家宅を捜索して、事件に関わるUSB、ポータブルHDD等の物品を差し押さえ、検察官の尋問を行った後、裁判所に勾留を請求して許可を得ることで、企業の損失拡大をすぐに阻止した。(2024年7月)