台湾の特許出願は「半導体」技術分野が主流
J240916Y1 2024年10月号(J302)
経済部統計処は2024年9月16日付ニュースリリースにて次のように発表した。
1.2023年は特許出願が専利全体の7割超
各国政府による専利※制度確立の目的は、民衆が発明に従事することを奨励し、発明者の権利を保護し、専利権者と民衆が合法的で適切な方法で発明を利用するように指導して、産業の発展を促進することにある(訳注※「専利」には特許、実用新案、意匠が含まれる)。近年の新規専利出願についてみると、2020年にコロナ禍の打撃を受け、世界経済活動が冷え込み、台湾では新規専利出願が約7万2000件にまで減少し、前年比で3.2%減少した。その後、年成長率は小幅に変動し、2023年には0.8%の微増、2024年1~7月も0.2%の微増となった。専利の種類別にみると、特許が最も多く、2023年には初めて専利全体に占める比率は7割を突破した。2024年1~7月に特許はやや低下して69.4%を占め、実用新案、意匠の比率はそれぞれ20.3%、10.3%となった。
2.台湾の特許出願は「半導体」分野が首位
2022年特許出願の技術分野トップ3は「半導体」(特許出願全体の14.5%)、「コンピュータ技術」(同9.0%)、「電気機械、電気装置、電気エネルギー」(同6.1%)であり、いずれもわが国の製造業において優位性を有する分野である。とくに「半導体」分野は2020年から3.6ポイント上昇しており、最大の上げ幅となっている。さらに出願人の国籍別にみると、内国人の出願分野トップ3は多い順に「半導体」、「コンピュータ技術」、「電気機械、電気装置、電気エネルギー」であり、外国籍出願人のうち、日本、米国、中国、韓国はいずれも「半導体」が最も多く、さらに日本は「高分子化学」、米国は「医薬品」の分野が突出している。
3.台湾における特許出願は、外国人出願人が全体の6割超
特許出願の出願人を国籍別にみると、以前から外国人出願人が多く、内国人と外国人の割合は約4:6となっている。2024年1~7月の外国人出願は特許出願全体の61.8%を占め、そのうち日本は25.0%で首位を占め、米国13.4%がそれに次ぎ、中国と韓国はそれぞれ6.6%、6.0%で、3位、4位を占めた。
4.近年、内国人(自然人)による新規特許出願のうち女性の割合は11~13%
特許(発明)は技術思想の創作であり、人材の専門分野における背景と密接に関連している。かつ特許の大部分の創作は科学技術分野に属するもので、専門知識は理工方面が主であり、科学技術分野の教育を受ける台湾人の男性は女性より多く、従業員の男女比に影響している可能性があり、近年内国人(自然人)による新規特許出願のうち男性の割合は8割を超えているのに対して、女性の割合は11%~13%であった。(2024年9月)