「WIPI 2025」と「2010~2024年産業別商標登録出願の動向分析」
J260401Y2 2026年4月号(J320)
WIPOは2025年11月12日に「2025年世界知的財産権指標(WIPI 2025)」報告書を発表し、2024年に世界で行われた商標の出願総件数及び出願総区分数、登録総件数及び登録総区分数、FA期間(一次審査通知までの平均期間)及びFT期間(最終処分までの平均期間)、査定結果の統計、十大産業部門の分布(区分数ベース)、各国のGDP1000億米ドル当たり出願区分数及び人口100万人当たり出願区分数等のデータを公開している。(知的財産局は)台湾の2024年統計データとWIPI 2025とを対比/分析して、「2020~2024年産業別商標登録出願の動向分析(原文:2010-2024年産業申請商標案件趨勢分析)」レポートを作成した。その要点は以下の通り。
一、2024年世界における商標出願件数は1170万件に達し、前年比で約2.9万件増加し、0.3%の微増に止まった。2022年と2023年に2年連続で出願件数が前年比15.7%減、14.5%減となった後、2024年には再び成長に転じたが、その回復は限定的であった。近年は変動があったものの、2024年の出願件数はパンデミック発生前の2019年の水準を約2%上回っており、長期的にみれば、成長軌道がなお顕著であり、2024年の出願件数は2010年の約3倍強に相当し、これは15年間において二度にわたる二桁成長による貢献が大きい。「出願区分数」で統計をとると、2024年世界における商標出願区分数は1523万区分に達し、前年からわずかに0.1%減少した。これは出願件数が増加したものの、出願1件あたりに含まれる商品及び役務の区分数が減少していることが反映したものである。(国・地域知財庁別にみると、)2024年の商標出願区分数の上位5ヵ国・地域は、1位から中国、米国、ロシア連邦、インド、ブラジルの順となっており、世界全体(の商標出願区分数)の61.5%を占めている。前年比成長率はブラジルが10.4%、インドが7.4%、ロシアが2.9%それぞれ増加し、中国と米国がいずれも1.5%減少した。上位20国・地域において、台湾の商標出願区分数は11.2万区分余りに達し、前年と同じ19位となった。台湾の商標登録区分数は9.8万区分余りに達し、世界18位を維持した。
二、2024年における台湾の商標出願の件数及び区分数はそれぞれ1.28%、1.92%減少し、ここ5年では、2021年のみが1.89%、2.98%増加している。3年連続の減少となったが、2023年の3.4%、 6.68%減に比べて、減少幅が明らかに縮小している。
三、台湾(TIPO)における外国出願人による商標出願について上位4産業部門(Industry Sector)をみると、「研究・技術(Research and technology)」、「保健(Health)」、「農業(Agriculture)」、「衣類・アクセサリー(Clothing and accessories)」、の順となっている。一方、WIPOの非居住者(Non-resident)による商標出願については、「研究・技術」、「保健」、「衣類・アクセサリー」、「レジャー・教育(Leisure and education)」の順となっている。世界の平均水準と比較すると、台湾において外国出願人による商標出願全体に「保健」分野が占める比率は16.9%であり、WIPOの14.1%を上回っており、外国出願人が台湾においてこの分野のブランド潜在的成長力を重視していることがわかる。
2019年~2021年を振り返ると、世界経済貿易の活動はコロナ(COVID-19)のパンデミックにより大きな影響を受け、なかでも観光、航空等の役務が最も大きな打撃を受けたが、防疫物資、医療用品及びステイホーム経済関連商品に対するニーズが急速に拡大し、企業による商品や役務のイノベーションを加速し、世界の商標出願はピークに達した。2022年にはパンデミックがピークを迎え、インフレ圧力の上昇、利上げサイクル、地政学的リスクが顕在化し、世界貿易の成長は徐々に鈍化して、商標出願数は再び減少した。世界保健機関(WHO)が2023年5月5日に、COVID-19は「国際的に懸念される緊急事態 (PHEIC)」を終了すると正式に宣言したことで、2024年世界の商標登録件数は徐々に増加して1170万件近くに達し、区分ベースでも1523万区分超となり、企業のブランド経営と市場戦略展開に対するニーズはなお健在であることを示した。
2024年台湾の商標出願は件数ベースで9万件、区分ベースで11.2万区分余りに達し、前年と同じ19位となった。台湾の商標登録区分数は9万区分余りに達し、世界18位を維持した。台湾の商標出願区分数全体に占める外国出願人の比率は27.6%から29.3%に上昇しており、外国人が依然として台湾の市場環境と制度に信頼を寄せていることを示している。それは、台湾が安定した民主主義と法治の基盤、十分に整備されたインフラと物流体系を備えていることを反映するもので、企業が生産戦略を展開し、国際輸送を行うのに有利である。透明性が高く開放された経済環境と成熟した知的財産保護制度、さらには政府による外国人投資促進や自由貿易及び投資協定の交渉・締結により、台湾は国際的な吸引力をさらに高めており、今後も台湾が良い方向に発展していくことが期待される。(2026年4月)









