経済部が「量子産業技術推動オフィス」を設置

J260427Y5 2026年5月号(J321)

 経済部は2026年4月27日、「量子産業技術推動オフィス(Quantum Industry Technology Promotion Office,QITPO)」の設立を正式に発表した。経済部では、これは単なる部門の設置ではなく、台湾を「シリコンアイランド」から「量子アイランド」へと転換させるという堅い決意を現実のものとしようとしていることを示すものであり、同オフィスは「重要な推進者」と「リソース統合者」の役割を担い、台湾企業が量子発展の初期において、グローバルサプライチェーンを展開する実力を備えることができるようにすることを目標としており、量子台湾というビジョンを共に実践して、台湾を「シリコンアイランド」から世界競争力を備える「量子アイランド」へと進化させる、としている。
 経済部部長(訳注:部長は日本の大臣に相当)は次のように述べている:AIブームが世界中を席捲した後、量子テクノロジーが、世界を根底から覆す次なる技術革命となりつつある。台湾は量子市場への参入において三つの強みを有する。第一に、技術面では、例えば量子コンピュータは絶対零度近くの極低温環境で動作させる必要があり、台湾の低温と常温とを接続する「コネクタ」技術は世界最強であり、制御ICチップや部品に関しては世界を牛耳っている。第二に、製造面において、台湾は半導体製造プロセスと先端パッケージングに関して豊富な経験を有しており、ファウンドリからヘテロジニアスインテグレーション(異種チップ集積)に至るまで世界水準に達しており、これは量子ビットの作製においても重要な要素である。第三に、システム統合の面で、台湾企業は異なる技術やメーカーの部品を実用可能なシステムに統合することに長けており、これは量子コンピュータが実用化に向けて最も必要としている重要な能力である。これに対して、経済部は積極的に量子技術と産業戦略展開を進めており、すでに具体的な成果を上げている。それには-269℃に耐えられる低温制御ICチップを開発して、海外企業との提携を実現したこと(例えば米国SEEQC社との量子チップの開発、米国Rigetti Computing社との低温モジュールの開発)が含まれ、台湾の量子分野における盤石な基盤を築くものとなった。企業が量子市場に参入し、国際標準に準拠して、積極的に受注できるように、経済部は「量子産業技術推動オフィス」の設置を決定した。重要な推進者の役割を担うだけではなく、工業技術研究院の開発力と産業界の実力を統合して、国際競争力を有する量子産業エコシステムを構築する。
 経済部産業技術司(Department of Industrial Technology, MOEA)によると、「量子産業技術推動オフィス」は「協力、拠点の設置、連結」という3つの主軸を推進していくという。第一に、国際協力と拠点の設置を推進するため、量子分野における世界のリーディングカンパニーに対して台湾での研究開発拠点の設置を働きかける。拠点設置だけに止まらず、地元のサプライチェーンへの積極的な参加も推進していく。第二に、産業界への技術指導を強化する。経済部の科技専案プログラム(Technology Development Program, TDP)や指導制度を通じて、企業にとっての参入ハードルを引き下げて、投資意欲のある企業がキーテクノロジーと的確にマッチングできるようする。第三に、定期的なフォーラムやマッチング会議を通じて、産学研間の距離を縮めるための分野横断的な交流プラットフォームを構築し、技術力を実質的なビジネスチャンスへと転換していく。
 「量子産業技術推動オフィス」が「産業チェーンの統合者」と「世界とのリンクの拠点」という二つの役割を担い、産業界が同業組合・協会と連携して常設の産学研間交流プラットフォームと国際協力ネットワークを確立することで、海外の技術先進国との提携とリソースのリンクを強化し、技術導入を加速して、重要な量子部品の製造と応用サービスを全力で発展させていく。経済部は産学研とともに国内量子産業によるグローバルサプライチェーン構築を強化し、「量子台湾」というビジョンを共同で推進して、世界のハイテク産業における重要な地位を盤石なものとしていく。(2026年4月)

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