大立光電の著作権侵害事件が拡大、独MVTec社が海外で8億余新台湾ドルの賠償を請求

J260608X3・J260608Y3 2026年7月号(J323)

 大立光電股份有限公司(Largan Precision Co.,Ltd.、以下「Largan」)が違法に独MVTec社の画像処理ソフト「HALCON」を使用したとされる事件は法廷での争いがさらに激化し、争いの場がドイツにまで拡大した。MVTec社の2026年6月8日付声明によると、同社はすでに独ミュンヘン第一地方裁判所に2200万ユーロ(8億余新台湾ドルに相当)に上る賠償請求をLarganに求める民事訴訟を提起し、2026年4月には訴状がLarganに送達されたという。
 本件はLarganがMVTec社の「HALCON」ソフトを購入した後、暗号を解読して大量に複製して使用したとしてMVTec社から訴えられたことから始まった。台中地方検察署は捜査した結果、著作権違反等の状況があると認定し、2024年4月にLarganと関わった従業員を起訴した。その後、MVTec社はLarganに合法的な使用許諾の証明を提出するよう要求したが、Larganは完全な証明を提出できなかっただけではなく、知的財産及び商事裁判所に対して、仮の地位を定める処分を申し立てて、判決が確定するまではMVTec社がLarganによるソフトウェアの使用を妨げたり、証明の提出を要求したりしないように求めた。
 知的財産及び商事裁判所は2025年4月と同年9月にLarganの申立てを棄却しており、Larganが「HALCON」をインストールした時に、完全なライセンス契約の画面が現れ、(ユーザーである)Larganが同意をクリックしなければインストールを続けることができなかったはずであり、Larganはすでにインストールして使用しているので、今になって契約に拘束されないと主張することには疑義がある、との決定を下した。裁判所はさらに、Larganが開発版ソフトウェア(ノードロックライセンス)を9セットしか購入していないのに、大量のインストールを行ったとして訴えられており、Larganとその従業員が起訴されている状況において、MVTec社には著作権者として、Larganに合法的な使用の証明を提出するよう要求する権利があると認めた。
 MVTecは以下のように述べている。台中地方検察局の起訴から現在まで2年以上が経っており、審理を担当する台中地方裁判所は2024年5月31日に準備手続を一回行っただけで、実質的な審理の進展はない。また同社は権利侵害の詳細を理解するため、2024年から幾度にもわたって弁護士を通じて裁判所に調書の閲覧を申請してきたが、いまだに明確な受理・不受理の通知を受けておらず、納得できる説明も受けていない。自らの権益を守るため、同社はドイツで賠償請求の民事訴訟を提起し、その訴状は台湾の外交機関の協力を得て、2026年4月にLarganに送達されている。(2026年6月)

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