フェラーリ社が海外から提訴し、自転車メーカーに賠償命令判決

J191105Y2 2019年12月号(J244)
    亞仕大科技股份有限公司(ASTER BIKES、以下「亞仕大公司」)は2016年にイタリアの有名ブランドであるフェラーリ(FERRARI)と提携し、コラボモデルの自転車を28.8万新台湾ドルで発売すると発表したが、双方の間で提携関係がないことが発覚した。フェラーリの本社であるFERRARI S.P.A.社(以下「フェラーリ社」)が海外から提訴し、知的財産裁判所が審理した結果、亞仕大公司に対してフェラーリ社の商標を商品の製造、販売又は販促のために使用することを禁じるとともに、亞仕大公司と代表者に対してフェラーリ社に100万新台湾ドルの損害賠償金を支払うよう命じた。本件はさらに上訴できる。
    亞仕大公司は公式サイトにて自社のロードバイクの品質と専門性が国際的な有名ブランドであるランボルギーニやフェラーリに認められ、認証を得て、これら二大ブランドのライセンシーとなり、さらにはコラボモデルであるAF7ロードバイクの開発に成功したと発表した。しかしながらフェラーリ社は亞仕大公司との提携関係を否認した。
フェラーリ社は訴状において、亞仕大公司はかつて香港の提携企業の紹介を受けたことがあるが、フェラーリ社は香港企業に第三者を商標ライセンスに係る提携プロジェクトに加えてはならないと伝えており、亞仕大公司に対する商標許諾に同意しておらず、双方の間にいかなる法律上の提携関係もないが、亞仕大公司はなおフェラーリ社の商標と図案を使用してバイクを生産し、対外的にライセンスを得たと発表しており、その行為は明らかに権利侵害を構成している。
    亞仕大公司は販売するバイクのモデルにはいずれもフェラーリ社の偽造防止ラベルを貼っており、このラベルは合法的にロイヤルティを支払って取得したものだと主張し、権利侵害を否認した。
    しかしながら偽造防止ラベルを販売した業者と、フェラーリ社が許諾している香港企業はいずれも、亞仕大公司に対する許諾範囲は部品のみであると述べている。つまり、亞仕大公司が商品を販売するときは、部品の状態でなければならず、その部品を組み立てた状態であってはならない。
    知的財産裁判所は次のように認定した。亞仕大公司がフェラーリ社の偽造防止ラベルを合法的に取得しているものの、そのラベルの使用範囲は「フレーム」に限られており、組み立てられた「自転車」の範囲は明らかに排除されている。さらに亞仕大公司がフェラーリ社からライセンスを取得したコラボモデルを販売すると発表した際に、フレーム部分のみがフェラーリ社と関連していると明示しなかったため、消費者に混同を生じさせる状況は明らかにあり、確かに権利侵害を侵害している。よって知的財産裁判所は亞仕大公司に敗訴の判決を言い渡した。(2019年11月)
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