台湾AIチップ連盟(AITA)、AIチップの生態系を構築
J200921Y5 | 2020年10月号(J254) 前のぺージに戻る    
    人工知能(AI)は今後10年間において最も重要な技術になるとみられている。台湾の半導体サプライチェインを連結して迅速なAI市場の獲得を目指し、行政院の科技会報(Board of Science and Technology)オフィスと経済部の技術処(Department of Industrial Technology (DoIT))の指導の下、「台湾AIチップ連盟(AI on Chip Taiwan Alliance、以下「AITA」)」は9月21日に会員大会を開催し、産官学並びに同業組合や業界団体の代表が出席した。AITAというプラットフォームを通じて国内外の業者が集結し、デバイス側のAIチップに関する技術を開発しており、多くの研究成果が発表された。

    AITAが発足されて1年近くになり、少なからぬ成果をあげている。内容は以下の通り。

一、半導体大手を集めて、AIチップの異種統合を開発
5GやAIという世代において、高度なチップ統合力が必要とされる「異種統合型(Heterogeneous Integration)チップ」のデザインイノベーションと封入技術は、ポストムーア時代において半導体産業を発展させ続ける原動力になると目されている。AITAは聯発科技(MTK)、日月光(ASE)、晶相光電(SOI)、工業技術研究院(ITRI)を集めて、共通の異種統合インターフェースを策定し、複数の異なる製造工程、機能を持つチップを異種統合している。これによりモジュール体積の40~60%縮小、演算消費電力の25~40%削減、演算速度の20~35%向上を実現したソリューションが開発でき、各種末端デバイスにおけるAI演算の応用を促進することが見込まれる。

二、光学式の大画面内指紋認証チップを開発して、世界市場を獲得
指紋認証チップデザイン領域をリードする神盾(Egis)は、AITAのソフトウェア関連SIGの協力を得て、AI運算効率の向上、開発時間の短縮を行い、世界初の再構成可能型(Reconfigurable)アナログAI演算技術に基づいて光学式の大画面内指紋認証(FoD)チップを開発していく。大量の指紋データベース通じてアナログAI回路のデザインと自己学習を行い、たとえ指紋画像の質が良くなくても、指紋の識別率を高め、低コスト、低消費電力、高効率、高偽造防止力という優れた商品を生み出し、これによりモバイルデバイスの認証システム、自動車向けモニタリング、安全保護システム、及びIoT等の市場を獲得していく。

三、世界大手の米シノプシスから台湾での研究開発センター設置を獲得
シノプシス(Synopsys)はAITAメンバーと提携してAIチップに必要な関連キーテクノロジーの技術開発を行うため、台湾への追加投資を準備している。同社は台湾に「AI研究開発センター」を設置して、最先端AI設計統合性ソフトを開発し、AIチップアプリケーションとコンパイラ、異種演算及び検証技術を導入し、シノプシスの知的財産と組み合わせて、最先端AI設計統合性ソリューションを開発する計画。2年以内に100人以上の研究開発チームを組み、8億新台湾ドルを投じて、AI研究開発力を高める。(2020年10月)