2020年台湾商標登録出願の動向分析

J210225Y2 2021年4月号(J260)
    ここ5年(2016~2020年)において台湾が受理した商標登録出願件数(区分ベース)は年々増加し、2019年に初めて11万区分を突破し、2020年にはさらに12万区分近く(119,096区分)に達している。2016~2019年に外国出願人が出願した区分数は全体の34.8~37%の間を小幅変動していたが、2020年には全体の30%にとどまった。台湾出願人と外国出願人の寄与度を観察すると、外国出願人の寄与度はマイナス3.91%となったが、台湾出願人の寄与度が10.69%だったため、2020年の成長率は全体で6.78%となった。また「世界知的財産指標(World Intellectual Property Indicators2020(WIPI 2020))」の2019年データによると、中国における商標登録出願件数は膨大で783万区分に上り、世界最大の商標登録出願国となっており、これは2位の米国の11.6 倍に相当するが、大部分は自国民からの出願であり、外国出願人は全体の3.2%に過ぎず、他国における外国出願人の占める割合に比べて低いという。
    ここ5年間で台湾が受理した商標登録出願案件の区分が属する産業部門(Industry Sector)トップ3は「農業食材/ Agriculture」、「健康医事/ Health」及び「商業金融/ Business services」となっている。このうち台湾出願人の産業部門トップ3は、「農業食材」、「商業金融」及び「健康医事」、外国人出願人については「技術研究/ Research and technology」、「健康医事」及び「農業食材」となっている。2019年台湾全体の産業部門別内訳は韓国(における商標登録出願案の内訳)にきわめて似ている。
    さらに国籍別に外国出願人による商標登録出願件数をみると、ここ5年間はいずれも1~3位を日本、米国、中国が占め、3ヵ国の合計は外国出願人による商標登録出願件数全体の半数以上を占めている。さらに国籍別に産業部門トップ3をみると、日本は「健康医事」、「技術研究」及び「服飾・アクセサリ/Clothing and accessories」、米国は「技術研究」、「健康医事」及び「レジャー・教育/Lesure and education」、中国は「技術研究」、「健康医事」及び「農業食材」となっている。(WIPI 2020における2019年統計によると)EU、フランス、米国、日本等の先進工業国における商標登録出願件数(区分数)について最も多い産業部門はいずれも「技術研究」であり、かつ「レジャー・教育」も上位を占めている。これから先進国における科学技術の基礎はなお優位性を維持しており、同時に人文精神面におけるソフトパワー産業の展開も重視していることが分かる。それ以外に、2019年日本における商標登録出願件数(区分数)のうち「技術研究」産業部門が占める割合が25%を超えて、他国を大きく上回っており、日本が掲げる「科学技術創造立国」の看板は色褪せていない。(2021年2月)
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