「バイオ新薬産業発展条例」改正案が立法院を通過、バイオ医薬品産業を新たな高みへ

J211221Y9 2022年1月号(J269)
    立法院では2021年12月21日に「バイオ新薬産業発展条例」(原文:生技新藥産業發展條例)改正案が第三読会(訳注:国会に相当する立法院では三読会制を採用)を通過し、名称を「バイオ医薬品産業発展条例」(原文:生技醫藥産業發展條例)に変更した。
    「バイオ新薬産業発展条例」は2007年7月4日に公布施行され、租税優遇等の措置を通じて、台湾のバイオ医薬品産業に革新の活力を注ぎ込み、同産業が付加価値の高いバイオ医薬品へと発展するように導いてきた。今までに多くの商品が海外で発売され、台湾の新薬やハイリスク医療器材の海外進出を促している。今回の改正の重点は以下の通り。
    一、施行の期限を2031年12月31日に延長。
    二、奨励適用範囲の拡大:同条例の奨励適用範囲には元来の「新薬」と「ハイリクス医療器材」以外に「新剤形製剤」、「再生医療」、「プレシジョンメディシン」、「デジタルヘルス」、「バイオ医薬品産業専用の革新技術プラットフォーム」等が追加され、また「バイオ医薬品企業」に受託開発製造業務に従事するもの(CDMO)も組み入れられたほか、「新興バイオ医薬品」が「その他の戦略的バイオ医薬品」に変更された。
    三、研究開発への投資の税額控除を改正:バイオ医薬品企業による研究開発への投資額の25%を限度として、当年度より5年以内の各年度の営利事業所得税(訳注:法人税に相当)から控除する。
    四、機械設備への投資の税額控除規定を新設:バイオ医薬品企業による生産のための新品の機械、設備又はシステムへの投資額について、一年度の支出が1000万新台湾ドル以上、10億新台湾ドルの範囲に達した場合、投資額の5%を限度として当年度の営利事業所得税から控除する、又は投資額の3%を限度として当年度より3年以内の各年度の営利事業所得税から控除することができ、毎年の控除額は当年度の営利事業所得税の30%を越えてはならない。
    五、法人株主による投資の税額控除を改正:営利事業(営利企業)がバイオ医薬品企業の現金増資に参加した場合、それが支払った株価の20%を限度として営利事業所得税から控除でき、毎年の控除額は当年度の営利事業所得税の50%を超えてはならない。営利事業の投資先であるCDMOのバイオ医薬品企業は、非上場企業、非店頭公開企業、又は設立登記日から10年未満の上場企業、店頭公開企業に限る。
    六、個人株主による投資の税額控除規定を新設:個人株主による非上場又は非店頭公開のバイオ医薬品企業への現金投資については、同一のバイオ医薬品企業に対する当年度の投資額が100万新台湾ドル以上且つ保有期間が満3年である場合、投資額の50%を限度として当年度より2年以内の各年度の個人総合所得税(訳注:所得税に相当)から控除でき、毎年の控除額は500万新台湾ドルを超えてはならない。
    七、上級専門職者と技術投資家が取得した株式に低価法を適用する改正:バイオ医薬品企業の上級専門職者が報酬として取得した株式及び技術投資家が技術提供の代価として取得した株式について、又は上級専門職者又は技術投資家がワラントを保有することで取得した株式について、株式を所有し且つ勤続又は技術提供の期間が2年に達する場合、「譲渡価格」と「株式取得時の時価又は価格」のうち低い方を選んで課税できる。
    「バイオ医薬品産業発展条例」が第三読会を通過したことは、台湾バイオ医薬品産業の発展にとって重要なマイルストーンへの到達となった。これにより、同産業に成長のための新たな活力が注ぎ込まれ、先進医療及び異分野連携が奨励されるとともに、技術水準の高い商品が開発され、研究開発と製造の両立も進み、民間からの投資が集まり、人材確保の誘因が強化されるだろう。(2021年12月)
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